中央社会保険医療協議会の答申を受け、厚労省は医療報酬の改定(4月より実施)を決めた。そのコンセプトは「在宅医療を進めみとりまで、かかりつけ医に担ってもらう」ための、「かかりつけ医加算」の実行だ。

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★住み慣れた地域や自宅で医療や介護を受けられる、いわゆる「地域包括ケアシステム」の推進。その大前提となる、患者の健康状態を日常的に把握する「かかりつけ医」の診療報酬を手厚くする。象徴例として、夜間や休日でも初診の緊急患者の治療に当たる診療所などの初診料が800円(自己負担は最大3割)加算される。

★大病院が高度な治療に特化できるように、紹介状のない患者に対する規制を緩和する。具体的には5,000円超の窓口負担を徴収する対象を、従来の病床数:500床以上から400床以上に広げる。

★ICT(情報通信技術)を活用しTV電話などで患者を診る遠隔診療については「対面診療」も並行して行うことを前提に、オンライン診療料を月額700円加算する。

★特別養護老人ホーム(特養)などの患者を外部の医師が「みとる」場合、現状では特養が介護報酬の加算をとると診療報酬の加算を受けられない。だが訪問診療の担い手(医師)を増やすため、4月からは診療報酬の加算が受けられる。

★入院医療では、効率的な医療が行われるように「入院基本料」が機能ごとに細分化される。また病気を発症した直後の患者を診る「急性期医療」では、治療内容により7段階の入院基本料が設定される。

 要するに身近な診療所がかかりつけ医として日常的な診察を行い、先端医療を担う大病院との役割分担をさらに進めるという改定である。

 先に「地域包括ケア」体制こそ、介護に関する理想的な最終形といった内容の拙文を寄稿したが「医療制度改革」なくしては成り立たない。

 厚労省の調査によると2015年の医療費総額は42兆円を突破した。そして団塊の世代が後期高齢者となる25年の医療費は「61兆円」に達すると推計されている。ちなみに61兆円となった時、大手企業の社員の1人当たりの保険料は企業負担を含め65万円になる。医療制度改革の進行はいまや、待ったなしといえよう。