勝手に「ポン酢」総選挙! 〜いま本当にうまいポン酢はどれだ〜

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Rettyグルメニュースをお読みの皆様、こんにちは。「むむ先生」こと、杉村です。

まだまだ寒さが続いています。今年は特に寒いこともあり、普段よりも鍋の回数が増えたという人も多いのではないでしょうか。

鍋物につきものの調味料といえば、ポン酢でしょう。熱々の鍋をポン酢でいただくのは、なんかもうずっと食べられてしまうんじゃないかというぐらい美味しいですよね。

普段は調味料についてのコラムを書いているのですが、その中で「ポン酢」について解説したこともあり(ポン酢について詳しく知りたい人は是非読んでみてください)、今回はお気に入りのポン酢を特徴ごとに「○○賞」という形で挙げさせていただきます。

容器が便利で賞『ミツカン味ぽん』

日本で一番有名なポン酢醤油で、その美味しさ、バランスの良さはもうかなり多くの人が知っているため、今更紹介するのかと思う方もいるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。今回注目したいのは、中身もさることながら、容器にあるのです。

2014年春からミツカンが販売を始めた「ちょいかけボトル」は、個人的にはポン酢の世界に新たな波を起こした発明だと思っています。

一見すると醤油の空気に触れないボトル(余談ですが、こちらは本当に醤油の世界に大革命をもたらしました)のようですが、ちょいかけボトルはそれとは異なります。残念ながら、空気には触れてしまうのです。

機能としては、細いノズルから、容器を押した分だけポン酢が出る。それだけです。でもそれが、すごいのですね。

お手元のポン酢醤油を見てもらいたいのですが、大抵は瓶の蓋に「I」の字のような穴が開いていて、傾けるとどばどばと出てきます。もともと鍋用の調味料であったこともあり、このような仕様になっているのです。

ただ、一度に出る量が多く、微調整を行いにくかったため、少量だけ使うという用途には向いていないのも確かでした。

ポン酢は塩気が醤油に比べると淡く(醤油に比べると36%減塩)、結構大量に使っても塩辛くなりにくい。だからそれでいいんだと思っていたのですが、ちょいかけボトルを使うとそのイメージが変わるのです。

手元でちょっとだけ、味の調整をしながらかけることができる。卓上に置いておいて、ひと味足りないなと思ったときにかけることができる。今まで以上にポン酢が身近に、何でも適当にかけられるようになったのです。これを使い方の革新と言わずして、何を革新と言うのでしょうか。

万能調味料であるポン酢を、何にかけても美味しいということを改めて教えてくれるという意味でも、是非このちょいかけボトルは体験してもらいたいと考えています。

・ミツカンの公式サイトはこちら

がっつりポン酢を味わえるで賞『旭ぽんず』

上で紹介したミツカンの味ぽんは、味わいとしてはやさしめの味だったりバランスの取れた味だったりします。

でも、そうじゃない。もっとガツンとくる、これぞ「ポン酢!」というのを心から味わいたい。そんなときに使いたいのは、この『旭ポンズ』でしょう。

大阪でこよなく愛されるこのポン酢は、最近は関東のスーパーでも見かけることが多くなりました。

普通のポン酢との違いは、やはりラベルにもある「完全味つけ」でしょう。柑橘果汁はスダチ、ユコウ、ユズを使用。ユコウは柚香とも書く、徳島県南部でのみつくられているユズの変種で、柚子より大きめで香りが強い果物です。ここにさらにかつおとさばの混合節、利尻昆布のダシを使っている、細かいところまでこだわった味つけなのですね。

もともとが鍋のための調味料として作られたため、そのまま味わうとかなりガツンと来る柑橘の酸味が濃い味わいです。でもこれを鍋にいれると、鍋のダシと合わさって酸味がやや和らぎ、旨味が前にも出てきてたまらなく美味しくなるのですね。おろしポン酢にしてお肉や餃子などと合わせてもお気に入りです。

・旭食品の公式サイトはこちら

魚介系の鍋にぴったりで賞『鯛だし・柚子ぽんず』

「サンマにかけたら、サンマが鯛の味になった!」

いきなり何をと思われるかもしれませんが、バーベキューのときにこのポン酢を味わった人達の感想です。そう、この『鯛だし・柚子ぽんず』は、それだけ鯛の風味が強い、魚介の旨味がたっぷりと詰まったポン酢なのです。

このポン酢では、日本三大急潮流の一つに数え上げられるほど流れが急な、愛媛県の北にある来島海峡の天然真鯛をたっぷりと使用。自然環境が厳しいところで育った鯛は美味しくなると言います。明石の鯛が有名ですよね。もちろん、来島の鯛もまたかなり美味しい鯛なのです。

その鯛のダシをたっぷりと柚子ポン酢に加えたのがこの『鯛だし・柚子ぽんず』なのです。もう美味しくないわけがありません。鍋にもばっちり良く合います。鯛の風味がふわりと浮き上がってきて、鍋の味を一段も二段も引き上げてくれるのです。

他には焼き魚とかにかけても美味しいのですが、ちょっと鯛の風味が強いので、少し鯛の味に寄ってしまうかもしれません。それが冒頭の台詞にもつながるのですね。もうちょっと醤油感が強いほうが、焼き魚にかける分には好みだったりします。

あと、一つ注意した方がいいのは、このポン酢には多少浮遊物が見られることです。これは鯛や昆布から出るアクやオリなので、味わいには何も問題はないので、気にせず味わいましょう。

・販売サイトはこちら

ユズの風味を存分に味わえるで賞『ゆずか』

すがすがしいユズの香りを存分に味わいたい。そんなときに使うのが、キッコーマンの『ゆずか』です。

なんと、250mlの中にユズ2個分をまるごと搾った、まさに高果汁ポン酢。じゃあ、かなり酸っぱいの? と思うかもしれませんが、これがそうでもないのです。

甘みや旨みによって、香りほど酸味を感じません。塩分濃度も9%以下と低く、味わいは全体的にまろやかです。

これはおそらく、ベースになっている醤油にやや穏やかな香りのものを使用していたり、穏やかな酸味のりんご酢を使っているからでしょう。鍋はもちろん、つけポン酢にしてもかけポン酢にしても、使いやすいポン酢です。

・キッコーマンの公式サイトはこちら

自分で好みを調合できるで賞『孝太郎造酢』

ポン酢コラムでも書きましたが、自分でポン酢を調合できるお店もあります。

京都の孝太郎造酢では、予約することで、ポン酢造りを行えるのです。用意してもらったダシ醤油をベースに、スダチ、ダイダイ、ユズの三種の果汁を選び、自分で量を決めることができるのですね。

個人的にはスダチたっぷりがお気に入りなので、市販されているポン酢よりもかなり果汁の割合を増やしたスダチポン酢をリピートしています。これがまた、鍋にとてつもなく良く合うのですよ。さわやかなスダチが、後味をさっぱりさせ、食欲を増し、次の一杯へと箸を進めるのです。

予約が必要で、なおかつ京都でというハードルの高さはありますが、是非一度訪れてみてください。一度配合が決まれば、同じものを次から注文できますよ。

京 西陣 孝太郎の酢
京都府 京都市上京区
テイクアウト

 

あのポン酢もこのポン酢もオススメしたいのですが、今回はこちらの5本を紹介してみました。いかがでしょうか。

ポン酢は鍋だけではなく、餃子や焼き肉、サラダなど、さまざまに使える万能調味料です。鍋に使うだけじゃなく、他の用途にも使えると思うと、思い切ってあれこれ買えるのではないでしょうか。この冬は、いっぱいいろいろなポン酢に挑戦してみるのも楽しいですよ。

ライター紹介

杉村啓
日本酒ライター、料理漫画研究家、醤油研究家。 日本酒の基本から歴史・造り方までを熱く語った『白熱日本酒教室』やタモリ倶楽部でも紹介された醤油の奥深さを書いた『醤油手帖』など、食に関する書籍を多数執筆。「むむ先生」として食のコラムや紹介を各メディアで担当。8月末には、グルメ漫画の半世紀を辿る新著『グルメ漫画50年史』を上梓。 ブログ