映画『ゴールデンスランバー』

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平昌五輪の話題で盛り上がる韓国だが、映画界でも何かと話題が多い。

2月14日からは注目の映画が全国ロードショウになった。『ゴールデンスランバー』がそれだ。

韓国で映画化された日本の人気小説

同作は伊坂幸太郎による小説『ゴールデンスランバー』が原作。日本でも堺雅人、竹内結子、香川照之などの豪華キャストが集結し、興行収入11億5000万円を記録した2010年のヒット作となったが、そんな『ゴールデンスランバー』が韓国でもリメイクされたのだ。


映画『ゴールデンスランバー』


これまでも韓国では日本の小説が映画化されてきたが、今回の『ゴールデンスランバー』への期待は大きい。

(参考記事:韓国で映画化された日本の原作小説・ドラマの“本当の評判”と成績表

例えばそのキャストだ。光化門(クァンファムン)で起きた大統領候補者暗殺事件の犯人に仕立て上げられた男の逃亡劇を描く韓国版は、映画『超能力者』『MASTER マスター』で知られるカン・ドンウォンをはじめ、ハン・ヒョジュ、キム・ウィソンなど演技派俳優が勢揃いとなっている。

そのカン・ドンウォン自らが『ゴールデンスランバー』のリメイクを強く熱望したということも興味深い。

「原作小説を読んだ7年前、韓国でも映画化されればいいなと思った」とは、制作発表会でカン・ドンウォンが明かした制作秘話だが、韓国では日本の小説が広く読まれていることを示すエピソードともいえるだろう。

韓国風にローカライズ(現地化)されている

この『ゴールデンスランバー』だけではなく、今月は日本映画をリメイクした映画がもう1作公開を控えている。


映画『リトル・フォレスト』


五十嵐大介の漫画を原作とする映画『リトル・フォレスト』の韓国リメイク版がそれだ。

日本では夏・秋編が2014年、冬・春編が2015年に公開。韓国では2編とも2015年に公開され、映画ファンの間で話題を呼んだが、2月28日に公開される韓国版『リトル・フォレスト』もまた、キャストの豪華さで話題だ。

映画『お嬢さん』で大ブレイクした女優キム・テリ、ドラマ『応答せよ1988』に主演したリュ・ジュンヨルなど、勢いのある20代の役者たちが顔を揃えるのだ。

しかも、韓国版『リトル・フォレスト』は原作とは違って韓国的情緒やユーモアも盛り込まれた作品になっているという。

2015年に韓国で公開された堺雅人、香川照之主演の『鍵泥棒のメソッド』(2012年)のリメイク映画『ラッキー(LUCK-KEY)』も、ストーリーにオリジナリティを加えて観客動員数700万人を突破する大成功を収めている。

日本のドラマも韓国で数多くリメイクされているが、リメイクの際、原作との差別化を図るのは今や珍しいことではない。

これからも続く日本作品のリメイク

日本の原作ファンからすれば、作品の世界観を壊しかねない部分でもあるだろうが、一方でローカライズ(現地化)こそリメイクの意義だという意見も存在する。


映画『人狼』


『リトル・フォレスト』は特に原作ファンが多いといわれる作品だけに、公開後の評価も気になるところだ。

韓国の大ヒットドラマ『未生(ミセン)』が、Hey!Say!JUMPの中島裕翔主演でドラマ『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』としてリメイクされたときも、韓国のオリジナルファンの間では賛否両論があったが、はたして韓国版『リトル・フォレスト』に対する日本ファンたちの反応はいかに……。

ちなみに韓国の日本作品リメイク・ブームは今後も続く。現在、『人狼 JIN-ROH』『Love Letter』『いま、会いにゆきます』といった日本映画の韓国リメイク版制作が進んでいるという。

なかでも年内公開予定の『人狼 JIN-ROH』は、前出の『ゴールデンスランバー』に出演するカン・ドンウォンとハン・ヒョジュが再び共演することで注目が集まっている。

小説やオリジナルのファンからすると、実写化やリメイクは期待と不安の両方が入り交じる複雑な心境だろうが、日本と韓国の間で国境を越えていくコンテンツの“チカラ”にはいつも驚かされる。

そんな文化交流の流れを加速化させるためにも、『ゴールデンスランバー』韓国版にはぜひともヒットを記録してもらたいものだ。

(文=慎 武宏)