NBCユニバーサル(NBCUniversal)とBuzzFeedが、ミレニアル世代の子育てにスポットを当てた新たなチャンネル「プレイフル(Playfull)」を開設した。その狙いは、BuzzFeedがテイスティ(Tasty)やニフティ(Nifty)などのバーティカルで達成した成功の再現だ。

2月6日にFacebookでのローンチを迎えたプレイフルは、かねてからのパートナーである両社が共同所有するパブリッシングブランドの第一弾だ。NBCユニバーサルは2015年以降、4億ドル(約420億円)をBuzzFeedに出資しており、同デジタルパブリッシャーをNBCユニバーサルのデジタル部門「デジタルエンタープライズ(Digital Enterprises)」に組み入れてきた。デジタルエンタープライズは、NBCユニバーサルがデジタルメディアに行う出資を監督しており、Vox Mediaやスナップ(Snap)などとのパートナーシップもその対象だ。

両社の役割分担



取り決めの一環として、プレイフルの動画を制作する専門チームはBuzzFeedが率いる。BuzzFeedによると、チームは約10人で構成されており、リーダーは同社のライフスタイルブランドでエディトリアルディレクターを務めるペギー・ワン氏だという。ワン氏によると、BuzzFeedはスタートダッシュを切れるよう、プレイフルに向けた動画シリーズの制作をローンチ前から開始している。

一方のNBCユニバーサルに関しては、プレイフルの広告売上やそのほかの事業提携の監督がおもな役割になる。今回のプレイフルのパートナーシップは、デジタルエンタープライズでマーケティング部門のトップを務めるシニアバイスプレジデントのパトリシア・ハデン氏が監督する。ハデン氏によると、広告フォーマットにはカスタム動画やインテグレーション、そのほかのエディトリアルスポンサーシップなどが含まれるという。

NBCユニバーサルは、冬季オリンピック(アメリカでは同社が独占放送する)の期間に流される15秒コマーシャルの形式でマーケティングサポートを提供する。一方、BuzzFeedは自社のFacebookバーティカルを活用して、プレイフルの動画をシェアする。

ミレニアルな親が対象



プレイフルが対象とするオーディエンスは20〜34歳の親たちだ。当面は、親しみやすく有益な、BuzzFeedらしい情報を彼らに提供することに焦点が当てられるとワン氏は話す。これまでにつくられたBuzzFeedの動画には、たとえば「いろんな基本を子どもに教えるためのちょっとしたコツ(Little tricks to teach your kids the basics)」や「子ども向けの科学実験9選(9 kid-friendly science experiments)」「ママ友のつくり方(How I make mom friends)」などがある。

「我々は親たちにアピールするコンテンツをテイスティやニフティで数多くつくっているが、これらは必ずしも親たちを念頭に置いて制作されているわけではない」と、ワン氏はいう。「私が楽しみにしていることのひとつは、プレイフルは、親たちを念頭に置いて、こうしたコンテンツをつくる機会を与えてくれる」。

最初の動画はBuzzFeedらしさが溢れる好例であり、その成功が子どもに自立する方法を教えるさらなる動画の制作へとBuzzFeedを向かわせたと、ワン氏はいう。

「特定の状況に共感を覚えるかもしれない人々にリーチすることが狙いだ。彼らがコンテンツをシェアしてくれるのだから」と、ワン氏は語った。

コラボが生み出すもの



NBCユニバーサルも先を見越して、同社のネットワークやメディアブランドとのコンテンツパートナーシップの機会など、プレイフルをFacebookの枠外に拡大する方法を模索するつもりだ。ハデン氏は、その成功の見込みを示す例として、NBCで放送されている朝の人気ニュース番組「トゥデイ(Today)」とエディトリアルおよびブランデッド動画のキャンペーンでコラボしてきたテイスティをあげた。NBCUのポートフォリオには、ブラボー(Bravo)やオキシジェン(Oxygen)、さらにはNBCスポーツ(NBC Sports)などのネットワークが入っており、これらのオーディエンスはどれもミレニアル世代の親たちと重なっている。

「我々はスナップと良好な関係にあり、プレイフルを彼らのコンテンツスレートに組み込む方法についても話し合いをはじめている」とハデン氏は語った。

BuzzFeedとNBCユニバーサルのコラボレーションは、いまではもうすっかりおなじみになっている。BuzzFeedへの出資を行って以来、NBCユニバーサルは同デジタルパブリッシャーをたびたび活用して、デジタルコンテンツやソーシャルコンテンツを制作してきた。たとえば、夏季・冬季オリンピックのSnapchat「ディスカバー(Discover)」チャンネルや、テイスティと「トゥデイ」のタイアップなどがそうだ。またNBCユニバーサルは、同社の広告販売プログラム「シンフォニー(Symphony)」を通じて、マルチプラットフォームのセールスピッチにもBuzzFeedを起用している。

死角なしの計画



BuzzFeedにとって子育ては、まったく新しいテリトリーというわけではない。チューブラー・ラボ(Tubular Labs)によると、「BuzzFeed Parents」のFacebookページに投稿された動画は昨年12月、4390万回の視聴回数を獲得したという。BuzzFeedによると、プレイフルのローンチ後もBuzzFeed Parentsは別個のエディトリアルユニットとして同社に留まるという。ただしプレイフルは、BuzzFeed Parentsが得たデータや見識を活用して、Facebookをはじめとするプラットフォームのためのコンテンツを制作していく見込みのようだ。

もちろん、ミレニアル世代の親たちに向けたコンテンツをつくっているパブリッシャーやソーシャルチャンネルは巷にあふれている。また、Facebook自体のコンテンツディストリビューションについても議論の余地がある。ニュースフィードの見直しにより、同プラットフォームでは今後、大半のメディアコンテンツよりもユーザーがシェアする動画が優先して表示されるようになるからだ。

しかし、NBCユニバーサルにとっては、この問題は心配の種ではない。Facebookに新たなメディアブランドを築くことにかけては、BuzzFeedの右に出るものはそうはいないからだ。テイスティとニフティはFacebookのガリバー的存在であり、それぞれの動画は高頻度でシェアされていると、ハデン氏はいう。

「我々はFacebookを並外れたマーケティングプラットフォームとして見ている。そして、Facebookでのブランドの立ち上げで高い業績を達成してきたのが、BuzzFeedだ」と、同氏は語る。「また、そこは親たちが集まる場所でもある。プレイフルは彼らのあいだで共感を呼ぶだろう」。

Sahil Patel (原文 / 訳:ガリレオ)