投信評価会社のモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏が、最新のデータを使って「投資」の現実を解説し、分かりやすく「つみたてNISA」を使った資産形成の始め方をガイドする本を上梓した。

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 2018年1月に始まった「つみたてNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)」は、政府の肝いりで、「貯蓄から資産形成へ」を促す制度といえる。ただ、預貯金では利息が付かないことに不満を感じても、「投資をする」ということは誰もが戸惑いを覚えるだろう。そもそも「投資信託(投信)」の選び方が分からない。損をするかもしれないことに抵抗がある。本書では、投信評価会社のモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏が、最新のデータを使って「投資」の現実を解説し、「つみたてNISA」を使った資産形成の始め方を分かりやすくガイドしている。
 
 本書は、世界No.1の投信評価会社のトップである朝倉氏が「最強の資産形成法」という「投信の積み立て」を、収益非課税で長期にわたって続けられる「つみたてNISA」の魅力を伝え、この機会に「投信の積み立て」による資産形成を多くの人に始めてほしいという思いが形になっている。
 
 「投資は危ない」と思って避け続けてきた方にとって、「つみたてNISA」という新しい税制優遇口座が始まったと聞かされても、それが直ちに「投資を始めるきっかけ」にはならないだろう。そこで本書は、「投資をせずに資産を築くのが難しいワケ」という章を設けて、これまでの資産形成の常識であった「預貯金」と「保険」の現実の姿を分かりやすく解説する。「金利が高かった時代には、誰でも、何も特別なことをせず、十分にお金を増やすことができた」というのは、誰にもうなずける事実だろう。しかし、その高い金利の時代は戻ってこない。
 
 そして、「これだけわかれば怖くない! 資産運用のノウハウ」として、投資によって資産を築く方法を解き明かす。朝倉氏の主張はシンプルだ。「世界経済の成長に投資する」、「分散して、長期で、積み立てで投資する」ことに尽きる。これまで投資をしたことがない方は、漠然と「怖い」と感じてしまいがちだが、「怖い」ことの核心である「元本割れ」が避けられる投資の仕方があれば、大きな安心材料になるだろう。「成長する資産に、長期で分散、積立投資する」という方法の有効性を説明している。
 
 本書の特徴は、ひとつひとつの主張をデータによって客観的に裏付けていることだ。朝倉氏は、「最強の資産形成法は、投信の積み立てだ」と断言しているが、その理由についても実際のデータを積み上げて説明している。これまで「投資は危ない」と感じて避けてきた方に、是非一度、朝倉氏が示す客観的なデータを見て考えていただきたいと思う。
 
 そして、本書のタイトルが「この7本を買いなさい」とあるとおり、つみたてNISAの対象商品が100本以上もある中、「本当に買っていい」といえる投信を具体的に紹介している。また、いい投信を紹介するだけでなく、つみたてNISAを使って、どのように購入すれば良いのかという具体的な購入の仕方まで、丁寧に、具体的に教えてくれる。「これで迷うことなく、つみたてNISAがスタートできる」といえるような材料を提供してくれるガイド本だ。(ダイヤモンド社・1400円+税)