あらゆるビジネスマンが、「グローバルなんて関係ない」とは言っていられない理由

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 これまで7000人ほどのキャリア支援をお手伝いしてきたヘッドハンターの高本尊通です。

 20年以上人材業界に身を置き、いろいろな企業や個人と接するなか、時代の変化を感じることも少なからずあります。昨今、私が感じているのが、「グローバル化の重要性がかつてなく高まっている」というものです。今回は、ますますグローバル化する現代に、どのようにキャリアを考えるべきかをお伝えします。

◆国内だけに目を向けるビジネスは生き残れない

 すでにグローバル化が叫ばれて久しい現代ですが、かつての「国内で成功させたビジネスを成長させるためのグローバル化」という位置付けから変わり、今やグローバル化は、「生き残るために欠かせない条件」と言えるまでに重要性を増しています。

 それは、かつて世界の中でアメリカにつぐナンバー2のGDPを有していた時代と今では、経済情勢が大きく変わっているからです。戦後、日本では人口の増加やインフラ整備などに伴う内需の拡大が経済を押し上げてきたわけですが、今や日本は少子高齢化がますます加速。合計特殊出生率は、1.44(平成26年)まで下落し、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の発表では、2053年日本の人口は1億人を下回ると予測されています。

 このように、人口が減少していく時代に、かつて人口が右肩上がりだった時代の内需頼みのビジネスを続けていても、厳しい状況になることは明らかでしょう。もはや、海外のマーケットに目を向けることなしにビジネスを成功させることは困難だと言わざるを得ません。

◆海外で力を発揮できない日本のビジネスマン

 このように、あらゆる企業がグローバル化の影響を受ける現代は、個人のキャリアを考えるうえでも、グローバルな視野をもつことが求められます。国内企業に就職しても、生産工場を海外に移したり、商品やサービスを海外に展開したりすることになれば、海外で仕事をすることになる可能性があるからです。国内でも、外国人を相手にビジネスをする機会も今後増えていくでしょう。

 そうしたなか、日本の顧客に対するビジネスと同じやり方で海外マーケットに立ち向かうと、おそらく壁にぶつかります。私は、海外で働く日本人を目にすることもありますが、なかなか十分な活躍をできていないのが実情です。

 これは、言語や商習慣、あるいは文化の違いなど、複数の要因はあると思いますが、共通する問題は、「海外経験の不足」。日本とは異なる多様な価値観に自身を適応させていくことに課題があるようです。

 たとえば、「波風立てず、主張しない」という態度。日本では、「空気を読める人間」として良い評価を受けられるかも知れませんが、海外でも同じ態度をとると、「消極的な人間」と評価されかねません。

 “暗黙の了解”の通用しない環境は、日本のビジネスマンにとっては対応が難しいかもしれませんが、グローバル化の時代に活躍するためには、自分自身をアップデートしてクリアしていく必要があるでしょう。

◆グローバルなビジネスマンになるためにできること

 グローバル化に対応できるビジネスマンになるには、やはり海外の文化に直接触れ、経験しなくてはなりません。特に時間に余裕のある10代や20代など若い頃に経験しておくのが望ましいでしょう。

 海外経験を積むための方法は無数にあります。もちろん、長い時間を取って海外留学をするのもいいですし、そこまでの時間がなくとも、海外旅行やショートステイなどをすることはできるでしょう。国内にいても、ボランティア活動やイベントなどを通じて外国の人と関わることはできるはずです。

 とくに、昨今は国内の動きとして、プレミアムフライデーや長時間勤務の是正など、「働き方改革」も進んでおり、社会人が自由に使える時間は増えていますから、この時間を使わない手はありません。

 さらに、日本人が海外で主体的になれない原因には、日本人特有の「英語への苦手意識」も今なおあります。ビジネスのためには、まずは英語を学び、さらには中国語などさらなる語学習得を目指しておくと良いでしょう。

 海外経験や、語学の習得によりグローバル化に対応できる素地ができれば、キャリアの幅は飛躍的に広がります。とくに30代を中心に、海外で動き回れる人材は、今後、ますます多くの企業から求められていくことは間違いありません。

<TEXT/高本尊通 構成/小林義祟>

【高本尊通】
たかもと・たかみち◯1972年3月7日生まれ。大学卒業後、パソナに入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、企画、アライアンス、業務改革担当として活躍後、2004年、株式会社プロフェッショナルバンク設立に参画。これまで約7000人あまりのキャリアに携わり、特に30代、40代の転職市場の現場に長く携わってきた。2012年にビズリーチ社の「日本ヘッドハンター大賞」、同年から2年連続で「リクナビNEXT AWARDMVA」を受賞するなどし、16年にはビズリーチ社によるヘッドハンターランキングで約1500人中第1位を獲得している