広告主は何年も前から、Facebookの有料広告に全力投球することについて語ってきた。ニュースフィードでは今後、ブランドのコンテンツよりも、家族や友人が共有するコンテンツを優先する、とFacebookが発表したのを受け、これまで以上に予算を確保することができると確信する広告主もいる。

オーガニックなブランデッドコンテンツに対するFacebookによる最新の締め付けに先立ち、上級幹部を説得してFacebookへの予算を増額してもらおうとする試みが進行中だ、と自動車メーカーのアウディ(Audi)とクレジットカード企業バークレーカード(Barclaycard)のマーケターはいう。両ブランドは現在、優遇される友人や家族のコンテンツと競争するためには、Facebook広告に対する支出を増やさなければならなくなることに気づきつつある。そうしたコンテンツと競争するには、記憶に残る安っぽくない広告を制作する必要があり、広告予算の増額要求につなげようとしているのだ。

「考えが完全に変わった」



「[より広範な組織内の]もっと大勢の者に、ソーシャルメディアは無料という考えを捨てさせようとしている」とバークレーカードのソーシャルメディアおよびディスプレイ担当責任者ローレン・デイビー氏は、1月31日にウィ・アー・ソーシャル(We Are Social)のイベントで語った。Facebookのニュースフィードでコンテンツの絞り込みが行われても、それを重視するほどバークレーカードの戦略は変わらない、と同氏は付け加えた。

バークレーカードのソーシャルメディアマーケターと同様に、アウディのチームは、2017年の大半を、Facebook向けのオーガニック戦略を廃止して有料のターゲット広告を重視するかどうかの議論に費やした。閲覧者の大半に関係なさそうな場合には、ブランドのオーガニックなフォロワーの2〜4%にリーチするオーガニックな投稿が「好ましいものではない」ことをほかの部署は学んだと、アウディUKのソーシャルメディアマネージャーであるリッチ・バージェス氏は同イベントで述べた。そのため、アウディでは、ほかの部署からFacebookへの投稿依頼が減少しているという。「近い将来に、オーガニックなリーチに触手を伸ばすことはない。拡大について話している[有料広告]は、常に大衆に向ける必要がない」。

ニュースフィードの改変により、バークレーカードの有料メディア計画がすでにここ数カ月、インフルエンサーに傾斜し、実用的なプロダクトベースの投稿から離れている理由が浮き彫りなっている。これは、同社のインフルエンサーからの「感動的な記事」が増えることを意味すると、デイビー氏は語る。人々が「自然と疑いを抱く」銀行業界の一部であることが、これまで、Facebookにおけるバークレーカードの取り組みの妨げになっていたという。

同氏は、ニュースフィードでの認知度や高い評価が優先されなくなれば、より良い結果がもたらせると期待している。バークレーカードはFacebookを、評価の引き上げや直接的なレスポンスなど、ターゲットとなる人物のタイプに応じてさまざまなレベルで機能を果たせる「フルファネルのツール」と見なしていると、同氏は付け加えた。「我々が行っていることの多くは、ファネルを通じた人々のムード作りだ。Facebookができることに関して、1年前とは考えが完全に変わった」。

「頻度の閾値は3〜4回」



アウディは、フォーカスするオーディエンスを少なくすることで、Facebookを利用して適切なユーザーをもっと頻繁にターゲットにしたいと考えている。ダイレクトレスポンス広告を出す準備が整うまでに、すでにそうしたユーザーが興味を抱いているとわかるからだ。

ほかの自動車ブランドと同様に、同社は人々に購入を促せる方法を模索しており、規模を考えるとFacebookは、そのための主要なプラットフォームと思われる。そういった規模のシフトは、アウディによるターゲティングだけでなく、もっと多くのバージョンの同一広告をテストすることや、より良いクリエイティブ、Facebook上の類似モデリングに向けた顧客データの利用にも依存している。

アウディにとってのもうひとつの変化は、広告頻度の上限の厳格化だ。「すべてのプラットフォームで、購入するオーディエンスをターゲットにすべき頻度の閾値は、通常約3〜4回だ。これくらいの回数で、ビジネス指標の一線を人々に越えさせている」と、バージェス氏はいう。「人々はそのブランドを検討しはじめるか、あるいは、推薦したり、商品を購入したいと考えたりする可能性がある。有料メディアにより、リーチが保証される一方で、[ターゲットとなるそうしたオーディエンス]をよりいっそう掌握することもできる」。

「オーガニックは依然良好」



英国最大手の会員運営組織のひとつであるコープ(Co-op)も、似たような考え方をしている。もっと「一貫性のあるアプローチ」を採用し、「ストーリーズ」や「ライブ」のような、これまで利用していないFacebookの機能でブランドと顧客関係管理(CRM)を宣伝するので、2018年には、ソーシャルメディアに対する広告予算が膨れあがる予定だと、Co-opのソーシャルメディア担当シニアマネージャーであるジョーダン・マクダウェル氏は語る。

だが、アウディやバークレーカードと違い、Co-opは引き続きオーガニックなリーチを追い求めるつもりだ。広告主は「オーガニックなリーチを我々が所有するコンテンツと考えており」、獲得した有料メディアと組み合わせれば、ソーシャルメディア分析会社ブランドウォッチ(Brandwatch)と提携して策定された「総合的なコンテンツ配信戦略」の構築に役立つ、とマクダウェル氏はいう。「我々のソーシャルコンテンツやコミュニケーションを喜んで支持するCo-op会員や同僚、顧客で構成された、エンゲージメントが非常に高いFacebookコミュニティから、恩恵を受けている。つまり、オーガニックなリーチは、主要なFacebookページで依然として比較的良好ということだ」。

エージェンシーはすでに、Facebookのニュースフィード変更の影響に対処している。トライバル・ワールドワイド・ロンドン(Tribal Worldwide London)のソーシャル担当責任者アレクセイ・エドワーズ氏によると、トライバルの顧客のオーガニックなリーチは、Facebookの発表以降、約50%から7%へと低下した。ブランドは「安っぽくて不快な」感じのコンテンツの制作を控える一方で、「雑音をはねのける」必要があると、アディダス(Adidas)と提携しているカイラTV(Kyra TV)の共同創業者デブラン・カラカ氏はいう。

「猫の口コミ動画とソーシャルパブリッシャーの目立つ見出しのなかで、コンテンツは競争していくことになる。それをせずに、この競争でそういったものに勝つのは難しいだろう」。

Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)