海水温上昇などのせい、と解説する人もいるが、それでは世界の漁獲高が増えている理由に説明がつかない。日本だけが漁獲高を大きく減らしている理由は、やはり乱獲にありそうだ

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昨年、サンマやスルメイカが記録的な不漁というニュースが大きく報道されたことは記憶に新しい。他にもホッケ、ウナギ、クロマグロといった魚の漁獲量減少も深刻な状況だ。ところが、実はこうして魚が減ってしまう理由は、世界が持続可能な漁業に変わって行く中で、日本特有なのだという。(清談社 福田晃広)

日本の魚が減っている!
最大原因はやはり「乱獲」か

 日本全体の魚の水揚げ量は1984年の1282万トンをピークに右肩下がりを続け、2016年には461万トンと約3分の1にまで落ちている。

 日本近海における03年のサンマ資源量は約400万トンあったものの、17年には約86万トンと急激に減少。日本全体のサンマの漁獲量は16年で約11万トンだったが、17年は約8万トンと半世紀ぶりの凶漁となり、危機的状態にある。

 スルメイカも同様で、15年には約11万トン獲れていたのが16年には約6万トンと、ほぼ半減。2017年も記録的な不漁だ。

 しかし、世界全体を見ると、魚の水揚げ数量は養殖が天然をやや上回り、1985年の約9000万トンから、2016年には2倍を超える約2億トンへと、増加の一途をたどっている。水揚げ量の減少は、日本特有のものなのだ。

 では、なぜ日本だけ魚の漁獲量が減っているのか。調べてみると、根本的な原因は、資源管理制度の不備から起こる乱獲にあるという。長年、この業界を取材してきた漁業ジャーナリストがこう解説する。

「専門家でも、海水温の上昇や、クジラが大量に魚を食べているために日本の水産資源に多大な影響を与えているという説を主張する人がいますが、諸外国でもほぼ同じ条件なので、それではなぜ日本の魚の漁獲量だけが減っているのかは説明できません。一番大きな理由として考えられるのは、長年、魚を獲りすぎているために資源量が激減しているということです」

 また、メディアでは特にサンマが減っている要因として、台湾や中国船による漁獲の問題が取り上げられるが、これも実態をよく知る必要がある。

 というのも、サンマは日本の沿岸部から遠く離れた場所から回遊して来る魚で、排他的経済水域(EEZ)内にやってきたものを、日本の漁船が獲っているにすぎないからだ。『サンマは日本の魚だから中国が獲るのは許せない』と考える人も多いかもしれないが、中国などの外国船が漁獲しているのは、日本のEEZの外側の公海にいるサンマで、国別のTAC(漁獲枠・漁獲可能量)が決まっておらず、『公海自由の原則』が適用される水域でのことだ。

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