来年度からアルマーニ監修の標準服を導入する泰明小学校。特権意識を感じるニュースとは裏腹に、中央区にも全国と“地続き“の子どもの貧困が存在する

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「校長、何を考えてるの!?」
生活保護シングルマザーの怒り

『ハフィントンポスト』は、2018年2月8日に公開した記事で、東京・銀座の泰明小学校が来年度から採用する標準服についてレポートした。

 この標準服は、イタリアのアルマーニがデザイン監修を行ったもので、同記事によれば一式8万円を超える。「任意」「市販のものでも可」となっているアイテムを除くと、購入が必要なのは上着・冬ズボンまたは冬スカート・夏ズボンまたは夏スカート・冬帽子・夏帽子のみとなり、その合計金額は男子4万9896円、女子5万5512円となる。

 ちなみに現在の標準服は、同様のセットで男子1万7755円・女子1万9504円だ。男子で約3万2000円、女子で約3万6000円の値上がりである。その後の報道によれば、泰明小学校の保護者たちの間では、アルマーニ標準服への賛成・反対の両方の声があるようだ。

 とはいえ、泰明小学校は中央区の区立小学校で、区内の他地域の子どもも選択できる。もしも、貧困や低所得ゆえに標準服が購入できず、実質的に学校を選択できない可能性が発生するのであれば、それ自体が大きな問題だ。

 傷病から働けなくなり、現在は生活保護のもとで公立高校生の娘と暮らす福島市のシングルマザー・ミサトさんは、こう語る。

「そのニュースには、正直、『校長は何考えてんの!?』と思いました。公立なのに、8万円以上する制服なんて、とんでもないです。『銀座だからアルマーニ』って……」

 しかし、あくまでも「標準服」であり「制服」ではない。タテマエ上は、「買わない」「着せない」という選択肢が存在する。

「もし、娘の学区でそういう標準服が導入されたら、最低限のものだけを購入するかもしれません。娘が『それでもいい』と言うなら、購入せずに私服で通学ということになるかもしれません」(ミサトさん)

 すると、イジメの可能性が発生する。「標準服は強制ではない」というタテマエは、ホンネのイジメに対する抑止力にはならない。

 ちなみに、ミサトさんの娘・アスカさんは、努力によって給付型奨学金を獲得して高校に進学したものの、その奨学金を福島市に召し上げられた。結果として、奨学金は使えることとなり、母子が福島市に対して行った訴訟は全面勝訴に近い地裁判決が確定した。しかし、二度とない10代後半の時間は取り戻せない。

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