「やった! ついに暴落局面が来た!」と言える投資家になるためには?(写真:KY/PIXTA)

2月に入って急変した株式市場。調整局面を予想していたカリスマ投資家の内田衛氏はあらかじめ下落すれば儲かる金融派生商品を購入。予想どおり株価は下落したが、その後「まさかの展開」に。いったいどうなったのか。いつものように「株日記」で見てみよう。

コインチェック問題は収束するのか?

【1月29日 月曜日】先週末の日経225先物は、60円高の2万3690円、NYダウは、223ドル高の2万6616ドルと最高値更新。1ドル=108.64円。仮想通貨取引所のコインチェックは、NEM(ネム)の巨額流出に関して、保有者26万人に総額約463億円(自己資金)を返金すると発表した。


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仮想通貨時価総額ランキングなどによると、NEMは11位(2月12日現在)で約5300億円となっているようだが、26万人も投機家がいたなんて驚きだ。1人平均にすると返金額は約17万8000円ほどなので、小口投機家が多かったようだが、コインチェックに返金する資金があってよかった。日経平均株価は、2円安の2万3629円と4日続落。21時、1BTC(ビットコイン)は、122万2149円と戻りが鈍い。

【1月30日 火曜日】日経225先物は、70円安の2万3540円、NYダウは、177ドル安の2万6439ドル。有効求人倍率は、2017年平均で1.50倍と44年ぶり高水準と報道。日経平均は、337円安の2万3291円と5日続落。

【1月31日 水曜日】日経225先物は、40円安の2万3220円、NYダウは、362ドル安の2万6076ドル。長期金利(10年物国債)が、一時2.75%と3年10カ月ぶりの上昇となったことを警戒。9時11分、トーセイ・リート投資法人(3451)を11万円で10口買う。1月18日に11万2000円で10口売っている。10時51分、優待目的保有のオエノンホールディングス(2533)が、41円高の422円の年初来高値を更新し、逆行高。日経平均は、193円安の2万3098円とまさかの6日続落。フェイスブックは、仮想通貨とICOの広告を禁止すると発表。早くも2018年に入り1カ月が終わってしまった。

【2月1日 木曜日】日経225先物は、140円高の2万3230円、NYダウは、72ドル高の2万6149ドル。FRB(米連邦準備制度理事会)は、利上げ見送りを発表。優待目的保有のオエノンホールディングスを410円(前日比2円高)で1000株売り、19万2136円の利益確定。買いは、2015年8月28日に217円で。

14時38分、日経225オプション2月限2万2500円のプットを20円(前日比50円安)で10枚(1取引単位は1000なので、代金は20×1000×10枚=20万円)買う。プットオプションの買いとは、日経平均が下がれば価値が上がる金融派生商品。具体的には、日経平均株価が、2万2500円以下になっても、プットオプションがあれば2万2500円で売れる権利を売買するもの。期日は2月9日の寄り付きまでと短い。日経平均は、387円高の2万3486円と7日ぶり反発。

プットオプションを買った理由は、NYダウが、現地時間1月30日に362ドル安となったことだ。テクニカル面から見ると、天井圏での大陰線は、トレンド転換のサインであることと、トレンド転換する時期としては、月が変わるときに多いという経験則から。20円で約定してからすぐに、500円で売り注文を出した。これは、もし日経平均が1500円下がって2万2000円になれば、2万2500円で売れる権利(プットオプション)は、理論価格で500円にはなるだろうという予想からだ。

プットオプションを売らなければよかった…


2万円のプットオプション1円は90円へ、90倍になった(筆者撮影)

【2月2日 金曜日】NYダウが安く始まり、その後下げを埋めて、またそのまま下がると予想していたのだが、予想以上に強い。 

一時は150ドル高まであり予想と違ったので、午前4時20分プットオプションを25円で手仕舞い、4万9028円の利益確定。2月1日23時14分には、24円高の43円の高値をつける場面もあった。しかし、後づけだが、ここで売らなければ6日火曜日には大変なことになっていたのに。日経225先物は、110円安の2万3330円、NYダウは、37ドル高の2万6186ドル。仮想通貨ビットコインは、一時80万円割れ。日経平均は、211円安の2万3274円。

【2月3日 土曜日】日経225先物は、280円安の2万3040円、NYダウは、665ドル安の2万5520ドルと長期金利上昇で9年2カ月ぶりの下げ幅。1ドル110.16円。25円で手仕舞ってしまったプットオプションは、41円高の65円。

【2月5日 月曜日】NYダウの大幅安の影響で日経平均も暴落し、592円安の2万2682円。11時44分、25円で売ってしまったプットオプションは、176円高の200円の高値をつける場面があった。15時15分、126円高の150円で引けた。優待目的保有の石光商事(2750)は、12円高の639円と逆行高。為替は1ドル109円台後半から110円と値動きは小さい。

【2月6日 火曜日】NYダウは、1175ドル安(4.6%)の2万4345ドルと過去最大の下げ幅。一時1597ドル安まであった。25円で売ってしまったプットオプションは、610円高の750円と大暴騰。

日経225先物は、740円安の2万1910円。9時、日経225オプション2万2500円のコールを60円(前日比280円安)で5枚買う。このままだと悔しいので、リバウンド狙いでコールを買った。

コールはプットの逆で日経平均が上がれば、価値が上がる商品だ。しかし、そのまま下がり続け、9時27分に48円で5枚買い、13時2分には、315円安の25円となり、25円で10枚買う。

13時13分、320円安の20円まで下げた。一方、25円で売ってしまったプットオプションは、9時、760円高の900円で寄り付き、1300円高の1440円の高値をつけた。ここまで持っていれば、3営業日で72倍と仮想通貨の値動きでもありえないような暴騰となった。

千載一遇のチャンスを逃したが、下落した株を複数買う

2万円のプットオプションは、1日で1円から90円と90倍にもなっている。リバウンド狙いで買ったコールオプションは、30円で10枚、16時34分、80円で10枚売り、合計30万5918円の利益確定。株式も買った。東京テアトル(9633)を1450円で500株、アルファ(3434)を1980円で100株、地盤ネットホールディングス(6072)を345円で100株、トーセイ・リート投資法人(3451)を10万7000円で9口、年初来安値を更新したオリエントコーポレーション(8585)を170円で2万株。11時、ビットコインは一時70万円割れ。日経平均は、寄り付き415円安の2万2267円、11時半、1194円安の2万1487円、13時48分、1603円安の2万1078円、15時、1071円安の2万1610円で引けた。

【2月7日 水曜日】日経225先物は、640円高の2万2150円、NYダウは567ドル高の2万4912ドル。

日経平均は、大きく反発して始まったものの9時44分、2万2353円の高値をつけ、上げ幅を708円も縮め、35円高の2万1645円で引け4日ぶり反発したが、3日間で1875円下げた割に反発力は弱いので、まだ下げ足りないのではないか。

【2月8日 木曜日】日経225先物は、450円高の2万2060円、NYダウは19ドル安の2万4893ドル。日経平均は、245円高の2万1890円と続伸した。

【2月9日 金曜日】日経225先物は、650円安の2万1290円、NYダウは1032ドル安の2万3860ドル。優待目的で、カドカワ(9468)を1175円と1178円で各100株買う。日経平均は、508円安の2万1382円と大幅安。

【2月10日 土曜日】CME日経は、70円高の2万1240円、NYダウは、330ドル高の2万4190ドルと3日ぶり反発。1ドル108.79円、1ユーロ133.31円。日銀の黒田東彦総裁続投と報道。

今年の冬は、各地で大雪に見舞われているが、株式市場にもNYから大寒波がやってきた。下がると思って買ったプットオプションが、思惑どおり下がったにもかかわらず、目先の値動きに翻弄されてしまい、結局わずかな利益しか得られず、下手さ加減に泣けてくる。

1月13日の日記では、「年明け早々、NYダウ(主要3指数が最高値を更新)、日経平均の上昇ピッチが速いのが気になる。こんなペースで上がり続けたら、早い段階でピークをつけてしまいかねない。」と警鐘を鳴らしていたのに(「早大が運用本格化」報道はバブル終盤の証?)。

2008年のリーマンショック時には信用取引をしていて、暴落で追い証がかからないように維持率をリアルタイムで見ながら、手を震わせながら取引していて「もうこんな思いをしてまで取引をするのはやめよう」と思った。当時、運用資金は、最大でピークから3分の1まで減らしてしまった。今は現物株のみで、現金も豊富にある。こんな時でも余裕を持って買いにいける投資家が、勝ち組投資家なのではないかと思う。相場格言で、「山高ければ谷深し」とあるが、今のNYダウに当てはまるのではないか。急落の時に買えなかった人は、慌てなくても3月末までに買い場は来ると予想する。