「サラリーマンの聖地」「居酒屋ばかり」なんてイメージの強い新橋だけど、実は実力派の本格和食店が多いエリアでもあるんです!

一度は足を運んでみたいカウンター割烹から絶品のランチまで、絶対外さない名店6店を紹介しよう。



2月上旬までのひと皿として供されるかぶら蒸し。『と村』おまかせは¥30,000〜
シンプル・イズ・ベストの真骨頂ともいうべき名店『京料理 と村』

京都で13年間修業した戸村仁男氏が作る美しく、繊細な京料理を味わえる割烹料亭『京料理 と村』。

赤坂で開業し、2007年に現在の場所に移転。比較的賑やかな通りに位置しながらも、一歩店内に入ると喧騒を忘れ、しっとり大人の空間へ。



カウンター6席に加え、個室も備える

テ本料理は引き算の料理イ箸呂茲言われるところだが、それも料理人の素材を見極める眼力と確かな技術力があってこそ、の話だろう。

素材本来の持ち味を最大限に引き出すことができれば、余計な味付け、彩りは無用のものとなる。

そんなシンプル・イズ・ベストの真骨頂名店『京料理 と村』は、新橋を語る上で欠かせない名店だ。




「新潟県魚沼のコシヒカリの土鍋ご飯コース」(\17,700〜税・サ込)の締めは必ずこの炊きたての白飯。甘み、艶共に素晴らしいが、圧巻は何と言っても香り。その香りだけで、何もつけずとも、一杯はいける。おこげも美味
土鍋ごはんが唸るほど旨い!『新ばし 笹田』

やはり和食に欠かせない存在である白飯。その美味しさを味わいたいなら『新ばし 笹田』を訪れたい。

ここの白飯を口にすれば、改めて白飯の美味しさに気がつくだろう。しかし、特別凄いことをしているわけではない。

店主・笹田さん自身がその美味しさに感動したという、魚沼産のコシヒカリを使用し、精米仕立てを週に2〜3回取り寄せる。これを九州高千穂の豊潤水で客の顔を見てから炊き始めるのだ。

炊き上がった白飯は、胸をすく香りと艶が素晴らしく、何もつけずとも実りの味に満ちている。




つみれ鍋(¥2,500)。こちらで1人前。きのこ鍋かと見紛うほどたっぷりと供される。いわしのつみれはつなぎは一切なし
いわしの旨さを再認識する「つみれ鍋」を味わう『長屋』

昭和の面影を残す、風情のある新橋の一角。長唄・端唄・小唄が流れるこちらは昭和58年より営むいわし料理の名店だ。

いわしは何より鮮度が命。「活きがよく脂ののったいわしは、まぐろにも勝るとも劣らない」と太鼓判を押す、ご主人の柴山裕行氏。料理の幅も広く、調理のしがいがあるという。

この時期の目玉は何と言っても「つみれ鍋」だろう。とはいえ、主役のいわしを覆い隠さんばかりに、皿にこんもりときのこを盛り込むのが『長屋』流。

あわび茸やたもぎ茸、やまぶし茸に朱鷺色平茸など、珍しいきのこも含めその数13種類。フツフツと沸く出汁の中にきのこ、野菜をまず加えていき、最後につみれを優しく落とす。

待つことしばし。出汁をまとったつみれは、馥郁とした香りでほんのりとした甘みがあり、いわし独特の風味が余韻となる。

この味、この香り。ここでやはり主役はいわしなのだと合点がいく。そんな意外性のあるオチもまた楽しい。



旨み成分を多く含むきのこと鶏肉が美味しさを倍増させる。栄養価も高く、ヘルシーで男性はもちろん女性にも人気が高い



いわし料理の名店として足繁く通う顧客も多い。鍋コースもあり、いわしを使ったオリジナルのお惣菜パンも供される。帰りには珍しい、いわし飴のサービスも


新橋だって、うるさい居酒屋だけじゃない!



“サクサク衣が決め手の悩殺アジフライ”
鯵の魅力を最大限に引き出したアジフライが名物『新ばし 久』

新橋の飲み屋街に位置しながらも、カウンターでしっぽりと和洋取り混ぜた、旬のおすすめ料理を味わう割烹スタイルが楽しめる『新ばし 久』。

ファンの多いアジフライは、素材の味を生かすために下味はあえてこしょうのみ。塩と自家製タルタルソース、酢キャベツを添えるので後はお好みで。

まずはそのままかぶりつけば、衣はサクサクッといい音を奏で、身はふっくらと柔らか。アジの風味と衣の香ばしさにしばしうっとりする。



こちらもビールに合う具だくさんのポテトサラダ



新橋の飲み屋街にありながら、カウンターでしっぽり大人の雰囲気を楽しめる




焼魚定食のなかでも人気の高い銀だらの西京焼き。ご飯や味噌汁はおかわり可。小鉢の内容は3日に1度のペースで変わる
魚好きを魅了するお値打ち定食を堪能『活魚料理 ととや』

店名の『ととや』が示すとおり、店主の宮崎進氏はもともと新橋で鮮魚店を営んでいたのだという。

自分で魚料理を供する店を始めて40数年たつが、いまでも毎朝築地に赴き、自らの目利きによって魚を買い付ける。

そうして仕入れた旬魚を煮魚や刺身、焼魚定食としてランチで供するのだが、その内容の充実ぶりときたら界隈で類を見ないほど。

昼定食には魚料理のほかにご飯と味噌汁、小鉢2品と茶碗蒸しがつき、味もボリューム感もまさに勤勉なビジネスマン向け。

塩焼きは鰤に鮭、かますやえぼ鯛、西京焼きは銀だらやさわらなどから選べるが、どれも身が厚く食べ応え十分。毎日と言わないまでも、週に数回訪れる人が多いというのもうなずける。




かま定食。お椀、漬け物、小鉢付き
挽き肉を使った鶏割烹の親子丼が名物『末げん』

親子丼ではなく、こちらの正式な名称は「かま定食」。ご覧の通り、標準的な親子丼とは若干様相が異なっている。が、これこそが、新橋の老舗鶏割烹『末げん』の、お昼の名物丼である。

軍鶏、地養鶏、合鴨の3種類を丁寧に2度挽きし、それを割り下でさっと煮た後、卵でとじる。

……と書くと、なんだか事も無げに見えるかもしれないが、ちょっとした火加減で仕上がりが大きく変わるという、さりげなく見えてその実、繊細な品。

上品な味付けと半熟の卵とを纏った挽き肉は、とろとろ仕上げ。咀嚼せずとも、滑るように喉を通る優しい食感がなんとも心地よい。