キャッチボールする大谷

 2月14日、今日はバッテリー組のキャンプインだ。エンゼルス大谷は、いつものように一礼してグランドに足を踏み入れた。
メジャーに来てチームメイトとの初めての全体練習。

 最初は緊張しているのか勝手が違うのか、動きも表情もぎこちなかったが、抑えピッチャーのパーカーが大谷にちょっかいを出してからは、次第に笑顔を見せるようになった。

 ストレッチにキャッチボール、守備練習と流れるようにメニューを消化していく。

 練習開始から1時間ほどたつと、アリゾナには珍しい雨が降ってきた。雨脚が強くなると、ピッチャー連中はさっさと練習をやめて引き揚げてしまった。

 このあとバッティング練習を控えている大谷だけは、キャッチャーの守備練習が終わるまで待ちぼうけをくらってしまったようだ。

バッティング練習

 そして、いよいよバッティング練習が始まる。もちろんピッチャーから参加するのは大谷一人だけだ。結果は33スイング中、7本の柵越え。

 マイク・ソーシア監督はじめ、見守っていたチームメイトから驚嘆の声が聞こえたのは言うまでもない。10時半から始まった練習も、午後1時にはすべて終了。メジャーでも二刀流を実践した練習初日だった。

 練習終了後、球場に隣接したホテルで大谷の記者会見が行われた。日米150人の報道陣が見守るなかで、大谷は衝撃の告白をした。

「今年はチョコをひとつも貰っていません。チョコ0でした」

 ちなみに、2017年のバレンタインデーは、日本ハムのキャンプ地・名護で24個もらい、それ以上は持ちきれず断念している。

 2018年は、どうやら寂しいバレンタインデーだったようだ。

写真・文/西山和明
スポーツ誌「Number」の専属カメラマンを務めた後、同「バーサス」の創刊時からフォトディレクターとして写真全般に関わる。現在はフリーのカメラマンとして、アメリカ大リーグや日本のプロ野球、サッカー日本代表、バスケットボールBリーグなどスポーツ全般を撮影する。著書に『トップアスリートの決定的瞬間』(PHP研究所)等