恋の長続きのためには「ほどほどに愛する」。適当に恋しろってわけじゃないですよ?

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「ほどほどに愛しなさい。そうすれば恋は長続きする」
とイギリスの歴史的作家はのたまったそうですが、周りを見ていても、これは的を射た表現だと思います。


学生時代から交際を続けて、社会人5年目でゴール!とか、そういうカップルには、必ずこの要素が備わっているし、実際、長続きの秘訣を聞いてみても同じようなことを話してくれることが多いです。
だけど、一度は誰もが聞いたことがあるこのセリフ、口で言うのは簡単だけど、実現するのはすごく、難しくないですか?

■■なにが「ほどほど」?

こういった言葉を聞くと、よく「そうそう、結局平均的で並みの感じの人の方が、長続きするんだよねー」と考えてしまう人がいますが、これは違うと思います。


「ほどほど」というのは、恋人のレベルの話をしているわけじゃありませんし、何より、こんな相手を見下したような感じで恋をしては、相手がかわいそうです。彼氏が「俺の彼女、平均で並みなところが好きだわー」なんて友達に言っていたら、私だったら悲しいというか激怒して別れます。




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また別の時代に別の国で、ある世界的ファッションデザイナーはこう言いました。


「大恋愛も、耐え忍ぶことが大切です」


違った意味をもつように見える言葉も、実は根っこのところでは同じことを伝えようとしているというのはよくあることで、これもその例なんじゃないかと思います(「違うだろぉこのハゲーっ!」と思われる方もいるかもしれませんが、解釈は人それぞれですので、許してください)。


いくら相手のことが大好きでも、それを全部丸ごとぶつけてしまうんじゃなくて、ときに自分の感情を我慢して、耐え忍んでいく。
「好き」と伝えたい気持ちも(本当は100%伝えたいのはもちろんだけど)50%、LINEを送る量も(本当は送りたいだけ送りたいけど)80%、その他、愛情表現はまるっと50%で我慢する。


「まあまあ好きでいる」ってことじゃなくて、自分の強い気持ちを懸命に抑えて、相手に伝える量はほどほどにする。
これが、「ほどほどに愛する」ということなんじゃないでしょうか。

■■「ほどほど」と長続き

ではどうして、「ほどほどに愛する」と長続きできるのか、改めて考えてみましょう。
恋人との関係にはステージがあって、付き合いたての頃から熟年カップルに到るまで、ちょっとずつ一歩ずつふたりの距離は縮まっていくものですね。


一方で、相手に対する「好き」の気持ちは、このステージに関わりなく、付き合いたての頃からMAXでほとばしっていることも多いはず。


だから、自分たちが今どのステージにいるかをわきまえないで、ほとばしる「好き」を全部相手に押し付けてしまいそうになります。
例えば、付き合いたての彼氏に「大好き!君はモテるから、女の子とLINEしたり会ったらダメだよ」と言ったとします。


彼としては、男女分け隔てなく友達が多いから、そんなことをいきなり言われても守れないし、でも破ると激怒されてしまう。


こうなってしまうと、彼は早くも彼女との関係に無理を感じてしまいます。そしてこうも思うでしょう。「まだ付き合いたてなんだし、もっとほどほどでいいのに」と。
ここで大切な「ほどほど」は、ふたりの関係がまだ浅いということを理解して、いきなり気持ちの全部を押し付けないこと。「最初だし、まあこれくらいは我慢しないと。いつか、私だけしか見えなくなってくれたらいいな」と今は我慢すること。


また例えば、LINEがちゃんと返ってこなくても「まあ、所詮LINEだし、本気になってもしょうがない」といい意味で諦める。


これらはまさしく好きの気持ちを抑えて耐え忍ぶということで、「ほどほど」というのはその字面とは違ってすごく大変なことなのです。


ただ、「ほどほど」でいられれば、もちろん恋人はあなたとの関係に無理を感じずに済むし、それだけではなく、(100%を出していないおかげで)「もっと『会いたい』って言われたいな」とか「もうちょっと束縛してくれてもいいんだけどな」とかを感じる余白ができてきます。こうした余白を残しておくことが、自分を飽きさせないことに繋がって、最終的には、「ほどほどに愛しなさい。そうすれば恋は長続きする」という言葉を体現できることになるんじゃないでしょうか。(遣水あかり/ライター)


(ハウコレ編集部)