化粧品ブランドのキールズ(Kiehl's)が、人工知能(AI)を使ったテキストメッセージで、Amazonに対抗しようとしている。

キールズは販売の大半を自社のブランドストアであるKiehls.comで行っており、カスタマーを取り戻すためにテキストメッセージを活用しはじめた。同社はオーダーグルーブという企業と協力し、テキストメッセージベースの注文と再注文機能を導入して、市場のシェアを守ろうと努めている。

キールズでeコマースおよびデジタルマーケティング部門の副部長を務めるジュリア・マブロディン氏は、同社と店舗、オンラインカスタマーのあいだに「好循環」が生まれていると語る。「カスタマーが最初に購入するのは店舗であることが判明している。そしてオンラインでも購入できるツールを作り、サイクルできるようにサービスを拡張した」。

1対1の関係を維持



自動で再注文を促す計画もそのひとつだ。同社はAIによる予測データと動的なプロセスを活用し、カスタマーが過去に注文した商品を使い切るタイミングを把握し、eメールで再注文を促すメッセージを送っている。現在キールズは同じメッセージをテキストメッセージで送る試みをはじめている。それに対し、注文するかどうかに応じて、カスタマーは「はい」または「後でもう一度知らせる」を選択できる。



マブロディン氏によると、キールズはカスタマーについてふたつの目標を掲げているという。ひとつは顧客の獲得だが、さらに重視しているのは顧客を維持することだ。同社は少なくとも直接的にはAmazonに商品を卸していない。自社運営のチャネルでカスタマーに購入し続けてもらう、1対1の関係を維持するのが同社にとって重要なのだ。

「当社の目標は、キールズのなかで販売していくことだ」とする、マブロディン氏は次のように語った。「Amazonは速さと効率を追い求めている。それは当社も同じだ。だが、当社にとって重要なのは、一度購入した商品の再注文や再契約ができるようにすること、そしてロイヤルカスタマーをつなぎとめておくことだ」。

顧客を失わない努力



同社が取り組むもうひとつの課題が、キールズの商品を売っているセフォラ(Sephora)やノードストローム(Nordstrom)などとの差別化だ。両社はキールズにとって重要なパートナーだが、キールズが直接カスタマーの声を聞けないという問題もある。そんななか、キールズのeメールの85%は携帯電話で開封されており、テキストメッセージの試みは理にかなっている。

オーダーグルーブのグレッグ・アルボCEOは「顧客との関係性を考えるにあたって重要なのは『なぜか』を考えることだ」と語り、次のように分析する。「そして、あらゆるチャネルでニーズをあらかじめ予測しておく必要がある」。同社はコグニティブ技術の一環としてAIを用いているのもそのためだ。それによってカスタマー動向を予測し、オンラインやテキスト形式で適切なメッセージを適切なタイミングで送ることに努めている。

マブロディン氏は次のように語った。「カスタマーを獲得した瞬間からそのカスタマーを失わないための努力がはじまる。当社のそもそもの目標は、Amazonにカスタマーを奪われないようにすることなのだから」。

Shareen Pathak(原文 / 訳:SI Japan)