ネパール側からエベレストを登る登山者たち(2009年5月19日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)へ向かう登山家たちの無事を祈ってきた仏教の高僧ラマ・ゲシェ(Lama Geshe)が13日、エベレストの麓にあるネパールの村で死去した。87歳だった。現地当局が14日、発表した。

 エベレスト登山家の間ではラマ・ゲシェは有名な存在で、彼の祈りを受けずに標高8848メートルのエベレストを目指す人々はほとんどいなかった。

 ラマ・ゲシェは13日朝、エベレストに程近いクーンブ渓谷(Khumbu Valley)のパンボチェ(Pangboche)村の自宅で死去したという。ヒマラヤ山脈出身の仏教を信仰する民族で、登山業界の中枢を担うシェルパの人々はラマ・ゲシェをあがめ、登山の際には自宅があるこの村に必ず立ち寄っていた。シェルパの人々はエベレストを聖なる存在として「チョモランマ」(山々の母なる女神)と呼んでいる。

 トレッキングのツアー会社に勤めるダワ・スティーブン・シェルパ(Dawa Steven Sherpa)さんは「安全のためにとても大事な人物がいなくなってしまい、今年ヒマラヤに登山するシェルパの間では少々不安がある」と述べた。

 ラマ・ゲシェは若い頃にチベットで仏教を学び、仏教における最高学位を取得した。1950年代に入り、中国がチベットを侵攻した際にチベットを離れ、故郷のクンブ渓谷へ戻った。
【翻訳編集】AFPBB News