フェイスブック ジャパンは、2018年の事業戦略説明会を開催し、今後の方針や今年注力していく領域などを解説した。

フェイスブック ジャパン 代表取締役の長谷川普氏

 フェイスブック ジャパン 代表取締役の長谷川普氏は、Facebook日本語版の導入から10周年を迎えたことを示した上で、「日本という国が抱えている課題に向き合う」と日本法人の大きな方向性を語る。少子高齢化や大規模な自然災害の可能性といった日本が直面している課題を挙げる一方で、引き続き高い水準を維持する経済規模や観光客の増加、特許出願件数の多さなどを挙げて、成長に向けた機会(チャンス)も多いと指摘する。この「課題」と「機会」に、フェイスブックが新たに掲げている「コミュニティ作りに注力していく」という方針を加え、日本での活動テーマを「可能性をつなぎ、かがやく日本へ」とした。

 フェイスブックでは、コミュニティとテクノロジーに主に注力することで、こうした活動を実現していくという。

 具体的には、「経済」「人」「社会」の3つの分野に分けられ、「経済」ではビジネスチャンスの創出の支援や、地方経済への貢献、海外展開の支援といった活動が行われる。特に“モバイルシフト”が国内外で顕著になっており、さらに動画の利用が急速に拡大していることから、企業がFacebookやInstagramを通じて、動画で製品やサービスを効果的にアピールできる活動を支援していく。

 こうした企業活動の支援は、中小企業も多い、地方経済の場にも向けられ、地場産業の活性化といったコミュニティ活動を含めて支援できるプラットフォームにしていく。

 なお、同社のうたう支援とは、プラットフォームとして機能やサービスを整えていくというもので、一部の例外を除き、同社から直接個々の企業や団体に働きかけたり、担当者を設置したりすることではないという。Facebook自体が、ユーザー自身で使いこなしていく、飲食店でいうところの“セルフサービス”型であるためだ。ただし、明確にサポートな必要な場面では、ケースに応じてパートナー企業や地方自治体などと連携していくとしている。

 長谷川氏は、美容からフィンテック、地方の酒蔵まで、幅広い分野のさまざまな取り組みで、Facebookを活用することによる効果が出ていると、具体的な数字とともに紹介し、ビジネスチャンスを広げたい企業や地域の活動を後押しできるプラットフォームであることをアピールした。

 「人」のつながりの支援は、Facebookがこれまでも注力してきた分野であり、そうしたつながりを発展させた「コミュニティ」の形成に注力している現在、アクティブシニアを対象にしたフェイスブック ジャパン公式のコミュニティを立ち上げたり、女性の起業を支援する取り組みを引き続き拡大したりしている様子を解説している。

 また「社会」への取り組みとして働き方改革と防災活動に言及した長谷川氏は、Facebookに似たプラットフォームを企業内で運用できる「Workplace」(ワークプレイス)で業務や業務中のコミュニケーションを改革している様子を事例で示した。

 防災や災害への対応も、地域の防災活動を行う組織や団体と連携し、有事の際に結束できるようなコミュニティの形成を、イベントの開催などを通じて支援していく方針を紹介した。

 「道のりはまだ1%」と、これまでも示してきた心構えを改めて紹介した長谷川氏。「日本のポテンシャルはまだまだある」と多くの可能性や伸びしろがあるとする一方で、「Facebookだけでどれだけのインパクトを出せるかというと、懐疑的なところもある」と、社会へのポジティブな影響力は十分ではないという認識で、公官庁や企業、団体などとのさまざまな連携でもって、力を発揮していく方針を示している。

Facebookの展望、日本の技術と「似ている」

フェイスブック アジア太平洋地域 バイスプレジデントのダン・ニアリー氏。後ろには、コミュニティの形成に注力していくという同社の新たなミッションが表示されている

 説明会では、長谷川氏に先駆けて、フェイスブック アジア太平洋地域 バイスプレジデントのダン・ニアリー氏から、グローバル市場での概況や日本への取り組みが語られている。ニアリー氏は、日本が革新や技術の国であり、現在でも特許出願件数が世界2位であることに言及。さらに日本においては「社会をよりよくするための技術を推進している」とし、この志向について「Facebookの展望と日本の技術の方向性は似通っている」と指摘する。

 ニアリー氏はFacebookやInstagramの利用者数などの概況を紹介すると、グローバルで7000万以上の企業が参加していると、ビジネスプラットフォームとして拡大している様子も示す。さらに、24時間で消える動画のInstagramストーリーズはグローバルでも日本でも「大きな動き」になっているとし、この機能の1日のアクティブユーザーが3億人で、7割以上がサウンドをオンにして視聴し、企業が配信する内容も多くみられているといった、急速に拡大している様子を数字とともに紹介した。

 ニアリー氏は、規模以外に重要な点として、「モバイルデバイスからのアクセスが重要な指標になる」とする。これは、スマートフォンなどのモバイルデバイスからのアクセスは「日々の生活で重要視されている」という考えに基づくもので、実際にグローバルのFacebook(月間アクティブユーザーは21億人)ではすでに、94%がモバイルデバイスからアクセスし、使用時間の4分の1はモバイルデバイスが占めるなど、モバイルデバイスから利用することは当たり前の世界になっていることを数値で紹介した。

 同氏はコミュニティへの注力のほか、現在開催されているオリンピック関連のページも拡充していることを紹介し、2020年の東京オリンピックについても「準備を始めている。果たすべきが役割があり、グローバルに発信する手伝いができると思う」と積極的に取り組んでいく様子を語っている。