「サバ醬油そば」(700円)/サバ6製麺所

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2017年の関西ラーメンシーンで注目すべき出来事があった。それが“サバ6製麺所(以下:サバ6)”の快進撃。2016年7月、天六にオープンしたあと、2017年3月に福島に本店を移してからあっという間に増え、今年1月の時点で全11店に。この増え方は異常!?その真相を、創業者、吉満浩之さんに直撃してみた。<※情報は関西ウォーカー(2018年2月6日発売号)より>

【写真を見る】天神橋筋六丁目の店は残しながら、本店機能を福島に移した/サバ6製麺所

「サバ6製麺所」創業者で株式会社マリブ事業開発室、室長の吉満浩之さん(36)。以前はつけ麺が人気の行列ラーメン店を経営。1年の充電期間を終えて「サバ6製麺所」を創業した腕ききラーメン職人。

■ 最初は地元で愛されるラーメン店を目指した

サバ6以前にも人気ラーメン店の店主だった吉満さん。その店を譲り、ラーメン業界から離れていた時に、サバを使ったラーメンの構想が浮かび、天六エリアにあえて小さな店、サバ6を作った。

「サバ醬油そば」(700円)。鶏ガラと手羽のスープに、サバ節の醬油ダレとサバ油を使用。香り豊かで濃厚なサバの風味がしっかり感じられるラーメンを実現している。サバがアクセントとなるクセになる味わいも魅力。

「最初は、地元の方が食べに来るような店でした。ところがメディアで話題になると遠方からもお客さんが来てくれて。その後、行列でご近所にも迷惑をかけてしまうように…」と吉満さん。「悩んでいる時に、いろいろ話が来ていたんです」というのが、大手の飲食グループなどからのフランチャイズ化や出店の問い合わせ。「移転を考えている時だったので、“ほかにサバ6ができれば、店の行列が減る”と思い始めたんです」と語る。

そんなことから、今の運営会社社長と話すうちに、「自分のラーメンをたくさんの人に食べてもらおう」というビジョンが見えた。「正直、ラーメンの味には自信がありました。多少クセはあるけど、中毒性もある」と吉満さん。

天神橋筋六丁目の店は残しながら、本店機能を福島に移した。「サバ6製麺所 福島本店」は醬油ダレや鶏油に3種のサバ節を使用するサバスープにこだわるラーメン店。旗艦店である福島本店は、サバ濃厚鶏辛つけ麺など、麺やサイドメニューを多彩にラインナップする。

■ こぢんまりから方向転換!たくさんの人に食べてもらう

そこで吉満さんは、現運営会社と契約。運営自体は会社にまかせるが、自身も事業開発室の室長として参加することに。「創業時から麺の配合もスープもほぼそのままです。サイドメニューも」と、味のお目付役として、社内で目を光らせる。確かにつけ麺やサイドメニューの鯖寿司などが増えているが、基本メニューは変わらない。

その後は、いっきに出店攻勢。直営とFCの2本立てで、今年3月までで15店舗へ、2019年3月ごろには30店舗になる予定だそうだ。

“こんなに増えて大丈夫?”と、疑問をぶつけてみた。「今は大阪市を中心に直営4店含む11店すべてが好調。ある程度予想どおり。今後は郊外のロードサイドなどへ進出します。初めて出店したエリアの方には初めての味だと思うんです。そこでも受け入れてもらえる自信がありますから、全く問題ありません」と力強い答え。

サバ6のラーメンは確かにクセになり、時々食べたくなる習慣性を感じる。まるで京都発祥の「天下一品」のような、ご当地からスタートしてほかのエリアでも受け入れられているラーメンに、今後成長していく可能性を秘めている。

■ 数字で見るヒットのポイント

【30店】2018年3月までの出店予定数が15店。好調な既存店からの「ほかでも出店したい」という要望などが多く、2019年3月ごろには30店になる予定。

【950円】「サバ醤油そば+半やきめし」の価格。ほかに天津飯やサバ寿司などもあり、セットが客単価を上げて店に貢献している。確かにやきめしは絶品。

【3種】店では、標準のサバ節と厚切りのサバ節、薄切りの花削りのサバ節の3種を使用。これらを醤油ダレや仕上げ油に利用している。

■サバ6製麺所 福島本店<住所:大阪市福島区福島7-21-3 電話:06-4256-8801 時間:11:00〜24:00(LO23:00) 休み:なし 座席:15席 タバコ:禁煙 駐車場:なし 交通:JR福島駅より徒歩3分>【関西ウォーカー編集部】(関西ウォーカー・編集部)