FIT売電終了へ。次の商機はどこだ?

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 2019年10月末、固定価格買い取り制度(FIT)による売電が終了する家庭が出てくる。太陽電池メーカーに自社製品の対象数を聞いたところ、19年10月末にパナソニック製10万件、三菱電機製4万件(推定)、19年度末に京セラ製15万件がFITを終了することがわかった。発電した電気を売らず、自宅で使う自家消費への移行が始まると予想されており、各社にとっては既存顧客に蓄電池や給湯機「エコキュート」などエネルギー関連機器を提案できる機会だ。

 FITでは家庭の太陽光パネルが発電し、自宅で使い切れなかった電気を10年間、固定価格で電力会社に売電できる。09年11月に「余剰電力買い取り制度」として始まった。経済産業省は10年後の19年10月末で約37万件のFITが終了すると見込む。

 最大手のシャープは09年度末までに累計30万台を販売した。この中にFIT終了の対象が相当数ある。太陽光発電協会は09年度末までの業界全体の累計設置を約56万台としており、大部分がFITを終える。

 太陽光由来の電気は電力会社から購入するより安く、自家消費でも経済的メリットが生まれる。太陽電池各社は、発電した電気を夜間に使うために蓄電池を提案する。パナソニックは蓄電池を追加できる太陽光発電パワーコンディショナーを発売し、蓄電池需要に備える。

 蓄電池よりも低コストで設置できるエコキュートにも商機が生まれる。日中、太陽光由来の電気でお湯を沸かし、夜間の入浴や家事で使えば光熱費を大幅に削減できる。パナソニックや三菱電が提案する。

 また三菱電は電気自動車(EV)への充電も薦める。同社は太陽光パネル、EV、家庭の電気を使い分けるパワコンをいち早く製品化。太陽光パネルの電気を充電に回せば、EVの電気代も抑えられる。

 太陽光パネルの需要が落ち込み、各社とも生産拠点の縮小に追い込まれた。一方で蓄電池やHEMSなどの商品をそろえ、エネルギーの総合的な管理を提案してきた。“ポストFIT”商戦で、自家消費のメリットを感じてもらえる提案力が試される。