by Andres Urena

Amazonは音声認識スピーカーの「Echo」シリーズに搭載されている音声アシスタント機能「Alexa」の品質向上および応答時間の短縮を目指し、独自の人工知能(AI)チップの設計に着手していると報じられています。

Amazon is reportedly following Apple and Google by designing custom AI chips for Alexa - The Verge

https://www.theverge.com/2018/2/12/17004734/amazon-custom-alexa-echo-ai-chips-smart-speaker

Amazon reportedly working on a custom chip to make Alexa faster

https://www.androidpolice.com/2018/02/12/amazon-reportedly-working-custom-chip-make-alexa-faster/

スマートデバイス上でAIを駆使するには、カスタム設計のチップやAIアルゴリズム、カスタム設計のサーバーなどが必要になります。実際、AppleのiPhone 8/8Plus/Xに搭載されている「A11 Bionic」チップやGoogleの「TPU」など、カスタムAIチップを開発・導入している企業は複数存在します。そんな中、AmazonもAIを用いた音声認識スピーカー・Echoの機能改善に向け、カスタムAIチップの設計を進めていると報じられています。これはNVIDIAやIntelといったチップメーカーにとっては喜ばしくない話に聞こえますが、Amazonには他メーカーのような「中国でのチップ製造経験」が不足しているため、専用チップをAmazonが独自に製造までする可能性は低いとみられています。

スマートホームハードウェア市場や消費者向けのAI製品分野で競争力を維持しようとしているAmazonが独自のAIチップを開発すれば、現在拡大中の「Alexa搭載のEchoシリーズ」において、音声認識機能が向上し応答時間が短縮され、クラウドと通信する前により多くのデータ処理をデバイス上で行えるようになると期待できます。



by Piotr Cichosz

チップの独自開発に取り組んでいるのはAmazonだけではありません。2017年4月、Appleは長年サプライヤーとしてGPUを提供してもらってきた半導体メーカー「Imagination Technologies」とのライセンス契約を更新しないことを発表しました。これによりAppleはGPUを独自開発するのではないかと報じられ、実際、Appleが電源管理やグラフィック処理に優れたチップを開発しているというウワサも存在します。また、iPhone Xに搭載されているA11 Bionicは、「ニューラルエンジン」と呼ばれる専用のニューラルネットワークハードウェアが搭載されており、これによりFace IDやARKitなどで機械学習アルゴリズムのオンデバイス処理が実行可能になっています。

他にも、Googleでは独自のAIハードウェア「TPU」が過去数年にわたって開発されています。TPUは機械学習のためのオープンソースソフトウェアライブラリであるTensorFlowに適合させたカスタムASICで、囲碁チャンピオンを倒したことで一躍有名になった「AlphaGo」にも用いられています。

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また、GoogleはClipsやPixel 2にも独自設計のチップを採用しており、現在も次期Pixel端末向けのイメージプロセッサを設計中と報じられています。

Amazonといえば、スマートスピーカー市場でEchoシリーズの最大のライバルとなっている「Google Home」を提供するGoogleのサービスを自社製品から排斥するなどして競合製品との戦いを繰り広げていますが、こういった動きだけでなく、製品の質でもライバル端末と競合するためにも「カスタムAIチップの開発には利点がある」と海外メディアのThe Vergeは記しています。

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