を長野県伊那市での公道実証

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 国土交通省や先進モビリティ(東京都目黒区)などは、磁気センサーによる自動運転システムを用いたバスの公道実験を長野県伊那市で始めた(写真)。13日には磁気センサーとして初めて運転席に人のいない「レベル4」の自動走行を行う。天候や路面に左右されにくいシステムとして安全性や事業性を検証し、2020年の実用化を目指す。

 バスは愛知製鋼の磁気センサーを搭載し、道路に50センチ―200センチメートル間隔で埋められた磁石の微弱な磁気を感知して走る。検知の誤差は約5ミリメートルと高精度なのが特徴。運転手のいる状態で行った試乗会では点々と続く磁石に沿い、細い道をまるで路面電車が軌道を進むように走り抜けた。
日刊工業新聞2018年2月12日

愛知製鋼、20年実用化目指す
 愛知製鋼は10日、同社の高感度磁気センサー「MIセンサ」を活用して自動運転車両の位置を精密に測定するシステムを開発したと発表した。道路に敷設した磁石からの微弱な磁気をMIセンサが読み取り、自車位置を誤差約5ミリメートル以内で測定できるという。11日から国土交通省が滋賀県で実施する自動運転バスの実証実験に磁気マーカーシステムとして提供し、2020年までの実用化を目指す。

実証実験は国土交通省などが中山間地域での自動運転サービスの実用化に向けて実施する。自動運転技術を開発する先進モビリティ(東京都目黒区)の自動運転バスの底部にMIセンサを24個取り付け、路面に埋めた磁気マーカー(フェライト磁石)に沿って走るようにステアリングを制御する。磁気マーカーシステムの公道実験は国内初という。

MIセンサは「磁気インピーダンス」と呼ばれる作用を利用して磁気を検知するセンサー。愛知製鋼はこれまでスマートフォンなどの位置測定向けに1億4000万個以上の生産実績がある。今回の実証実験向けに従来の携帯電話用の100倍の感度を持つ新しいMIセンサを開発した。

自動車メーカー各社が開発中の自動運転車は現在、全地球測位システム(GPS)やカメラセンサーなどを使うものが主流だが、トンネル内や悪天候時の信頼性に課題も残る。一方、磁気マーカーを用いた自動運転システムは天候や場所に左右されず自車位置を特定できる利点がある。