中国でスマートフォンの出荷台数が、8年ぶりに減少したと、英フィナンシャル・タイムズが報じている。

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中国大手がシェア拡大

 中国は、世界スマートフォン出荷台数の3割強を占める最大市場。同国のこうした動向によって、メーカーや、通信事業者の巨大なサプライチェーンは、戦略の見直しを余儀なくされると、同紙は伝えている。

 同紙が引用した米IDCの出荷台数統計(速報値)によると、昨年(2017年)1年間の中国における出荷台数は、4億4430万台で、前年から4.9%減少した。

 中国メーカー各社の新モデルが、前モデルからの小幅な変更にとどまり、需要を十分に喚起できなかったとIDCは指摘している。今後も引き続き小規模メーカーが苦戦を強いられ、大規模な上位メーカーが勢力を拡大していくと予測している。

 2017年のメーカー別出荷台数は、1位から、中国ファーウェイ(華為技術)、中国オッポ(広東欧珀移動通信、OPPO Mobile Telecommunications)、中国ビーボ(維沃移動通信、vivo Mobile Communication)、中国シャオミ(小米科技)、米アップルの順。

 このうち、首位のファーウェイの出荷台数は、前年から18.6%増と大幅な伸び。2位のオッポと3位のビーボは、それぞれ、同2.7%増と0.8%減で、前年とほぼ同じ水準だった。

 一方、シャオミは同32.6%増と大幅に台数を増やし、4位に浮上。これに対し、アップルは、同8.3%減少し、5位に後退した。

アップルは高価格帯市場でトップ

 ただ、IDCによると、アップルは価格が、600米ドル以上の高価格端末の分野で市場を支配している。この分野における同社のシェアは85%に上り、中国メーカーの追随を許さないという。

 しかしながら、昨年11月に発売した「iPhone X」は、8388元(約14万6000円)から、と高額すぎて、多くの消費者には手が届かない状態。

 もしアップルが今年、iPhone Xに匹敵する機能とデザインを備えた新端末を、より安い価格で発売すれば、同社は600米ドル以上の高価格帯市場で、さらにシェアを伸ばすことができると、IDCは指摘している。

中国市場の成長率、2012年以降右肩下がり

 ただし、いずれにしても中国のスマートフォン市場は、成熟期に入っており、もはや、かつてのような成長は見込めないようだ。

 例えば、同国における出荷台数の前年比伸び率は、2011年時点で約150%あった。これが、その後右肩下がりで推移し、昨年はついにマイナスに転じたというわけだ。

 今年は、中国メーカーのマイナス成長に引きずられ、出荷台数はさらに2%程度減少すると見るアナリストもいる。

 これに伴いメーカー各社の競争が、さらに激化しそうだ。例えばIDCによると、ファーウェイは200米ドル以下の市場に強いメーカー。だが、同社は、高価格端末の市場にも注力している。

 韓国サムスン電子が中国市場で振るわなくなった今、この市場で、アップルのライバルになり得るのはファーウェイだと、IDCは指摘している。

(参考・関連記事)「アップル、10〜12月期のスマホ出荷台数で首位に」

筆者:小久保 重信