映画ではVFXによる視覚効果を入れることがポピュラーですが、これらの処理を加えるためには、多大なコストを払う必要があります。総制作費約3億ドル(約330億円)の映画「ジャスティス・リーグ」では、VFX処理で「スーパーマン役を演じたヘンリー・カヴィルのひげを除去する」という離れ技を行っていますが、この作業と同等のクオリティの処理をわずか500ドル(約5万4000円)の中古PCとフリーソフトだけを使って実現した猛者が現れました。

A $500 PC and an AI Did a Way Better Job Erasing Henry Cavill's Justice League Mustache Than Expensive VFX

https://io9.gizmodo.com/a-500-pc-and-an-ai-did-a-way-better-job-erasing-henry-1822797682

このひげ除去に成功したのは、AV女優の顔部分に有名女優やゲームキャラクターを合成する「フェイクポルノ」を投稿したことでも知られる「deepfakes」と名乗るユーザーで、自身が公開しているAIを使ったフリーソフト「FakeApp」を使って実現したとのことです。

実際に「ジャスティス・リーグ」でスーパーマン役を演じたカヴィル氏の「口ひげ」を500ドルの中古PCとフリーソフトで除去する様子は、以下のムービーで確認できます。

I taught an AI to shave Henry Cavill's mustache - YouTube

インタビューを受けるカヴィル氏。



右側のカヴィル氏の「口ひげ」を除去してみます。



口ひげがないだけで、それほど違和感がありません。



別のインタビューシーンでも……



右側のカヴィル氏のひげを除去しても、こちらも違和感はありません。



顔がアップになった、インタビューシーンで適用しても違和感のない仕上がり。



次に、「ジャスティス・リーグ」のVFX処理との比較してみると、左側のVFXと右側の中古PCとフリーソフトでは、甲乙つけがたい印象。



しかし、口を開けると、右側のカヴィル氏の歯が少しぼやけているように見えます。それでも、ここまでの仕上がりを安価なPCとフリーソフトだけで実現できるコストパフォーマンスには驚きを隠せません。



今回のように、ひげの除去を行うには何千もの同じ人物の画像を集めて、AIに学習させる必要がありますが、カヴィル氏のような有名人の場合、インターネット上を探せば大量の画像を集められるため、実現できたようです。ただし、実際に処理を適用するには数日ほどかかってしまうとのことですが、VFXでの処理も数週間ほど要することを考えれば、コストパフォーマンスは高いと考えられます。今後、さらに精度の高い処理が可能となれば、VFX処理がAIの処理に取って代わる未来も近いのかもしれません。