『君たちはどう生きるか』にみる遺言の原点

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いま、遺言や相続で悩まれている方が増えています。人それぞれ、いろいろな問題を抱えていますが、遺言があった場合となかった場合では、どう違うのでしょうか。ユニークな遺言の書き方を提唱する『90分で遺言書』の著者・塩原匡浩氏に、遺言のポイントを聞く。

僕たち日本人に大きな影響を与えている
『ナポレオン法典』

 いま大人気の『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)をもう読まれましたか? コペル君とおじさんの心の交流を通じて、コペル君が人間としてのあるべき姿を学び成長していくストーリーです。

 その中で、コペル君と友人たちがナポレオンの強い生き方に憧れていることが描かれています。そのときに登場する「おじさんのノート」に、「遺言」と関係する記述があるので引用してみます。

「彼は学者を集めて、その新しい秩序を、はっきりと法律に定めさせた。これが有名な『ナポレオン法典』で、その後、方々の国の法律の模範になったが、おそらく、ナポレオンの事業のうちで、これが最大のものと言えるだろう。
 君はびっくりするかもしれないが、僕たち日本人までが、この法典のおかげをこうむっているんだよ。
 日本も、明治維新と共に封建制度を廃して、四民平等の世の中となった。ところで、その新しい世の中の秩序、殊に人民同志の関係をどう定めたらいいかということが、すぐに問題になってきた。それで、わが国で最初の民法が定められたんだが、そのとき模範となったのが、『ナポレオン法典』だった」(『漫画 君たちはどう生きるか』より)

 この『ナポレオン法典』は、なぜ「遺言」と関係があるのでしょうか。

 1800年、ナポレオンが起草委員4名を任命し、フランス民法典が起草されました。1804年に公布され、1807年にナポレオンが「コード・ナポレオン(ナポレオン法典)」と改名したのです。文体規範内容が簡潔明白で、市民生活に親しみやすく、多くの改正が加えられたようですが、なんとフランスの現行民法典として存続しています。

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