17日、東京で開催されたBlockchain EXE(代表:クーガー株式会社CEO石井敦氏)のミートアップ

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 昨今、世界中から一気に注目を浴びるようになった、ビットコインなどの仮想通貨。先日も取引所「コインチェック」がハッキングされ、仮想通貨のXEM650億円分が不正送金された件で話題になった。

 この仮想通貨の流通を成立させているのは、ブロックチェーンと呼ばれるネットワーク技術だ。

 インターネットに次ぐ大革命とされるこのブロックチェーンは、誕生してから現在までのデータ記録の集合体(ブロック)を全てつなぎ合わせ(チェーン)、誰もが閲覧・記入できる「台帳」のような仕組みをもつ。

 中央集権的な管理母体を持たずに生み出される不正や改ざんのない大量のデータ記録は、その台帳の情報をネットワーク上の全員で共有する「Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)」を代表とする認証アルゴリズムの産物だ。

 現在、ブロックチェーンの技術が最大限活かされ、最も世に広く浸透しているのが、前出の「ビットコイン」である。

 ここまで急速に拡散されたのは、ビットコインが「モノ化」せず、全ての工程がデータのみで完結していることに加え、通貨の「価値」的要素と、ブロックチェーンの「価値のインターネット」といわれる概念が綺麗に一致したためだ。

 第三者を介さず端末間のデータに嘘がないことを保証し、価値のやり取りをする。この枠組みのもと、ブロックチェーンは今後、仮想通貨での活用範囲を超え、世の在り方を根底から覆す可能性を発揮するとさえ言われる。しかし、誕生からの歴史が浅く、応用の可能性があまりにも壮大であるせいで、現時点での主だった実用例は、依然この「仮想通貨」に閉じているのが現状だ。

 そんな中、「通貨に使えるのであれば、他の価値にも応用できる」という概念のもと、ブロックチェーンは今、世界中のエンジニアらによって研究開発が目下急速に進行中で、その分野はありとあらゆる産業へと広がりを見せている。

 昨年5月、日本に誕生した「Blockchain EXE(ブロックチェーン エグゼ)」も、こうしたエンジニアらによる活動の中で誕生したコミュニティの1つだ。

 月に1度、東京で開催されているBlockchain EXE(代表:クーガー株式会社CEO石井敦氏)のミートアップには、毎度、国や企業、業種などの枠組みを越えた研究者らが参加。数名の登壇者による技術・研究発表やディスカッション、懇親会などが行われ、ブロックチェーンの動作原理・基礎・応用・最新技術などの情報共有が図られている。

 議論される内容も、仮想通貨の運用方法に関する勉強会などとは一線を画し、ブロックチェーンに秘められた可能性や将来性を、技術・ビジネスマネジメントの面からアプローチ・共有することで、明確に社会全体を変える流れを作ろうとしているのが特徴だ。

 石井氏によると、参加者のブロックチェーンに対する知識レベルは、毎度初心者から上級者までまちまちだという。が、参加者全員の思考にある程度の負荷をかけ、脳が疲弊するくらいの内容を議論しないと意味がないというスタンスから、選ばれるテーマは世界のトレンドや動向に合ったハイレベルなものが多い。

◆世界規模で広がりを見せる、ブロックチェーン学習

 実際、1月17日のミートアップを訪れると、大雨にもかかわらず150人超もの参加者が集結し、今回のテーマである「シェアリングエコノミーとブロックチェーンの相性と課題」、「ブロックチェーン技術で実現する共有財産の拡張と海外事例」、「次世代型の信用情報プラットフォーム」などを発表する登壇者の話に、一様に身を入れて聞き入っていた。

 こうしたミートアップの現場で得られるのは、登壇者からの技術・ビジネスマネジメント的情報だけではない。ディスカッション後に設けられる懇親会では、参加者各々の抱く展望に、一緒になって活路を見出せる経験者を募ったり、互いの知識の穴埋めをしたりできる場が設けられていることも参加意義の大きいところだ。