ご飯の盛り付け量を見直して食べ残しを減らす吉野家(同社公式ページより)

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 小売業や外食業が、食品ロス削減に向けた工夫をしている。農林水産省などの2014年度の推計では、食品由来の廃棄物のうち可食部分と思われる「食品ロス」は年間621万トンに上る。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」では、30年までに小売り・消費段階での世界全体での1人当たりの食品廃棄を半減するとしており、各社が対応を急いでいる。

 ダイエーは1月、フードバンク活動団体との連携を33店舗で始めた。「未開封で賞味期限内」であることを条件に、店舗での販売許容日を過ぎていたり、家庭で消費されず残っていたりする加工食品を回収。同団体を通じ、児童養護施設などに送る。

 ダイエーの親会社であるイオンは17年、25年までに食品廃棄物を15年度比で半減する目標を掲げた。パッケージ内へ食品に適したガスを充填する「マップ包装」の手法を活用し、賞味期限を延ばした精肉や米飯を販売するといった取り組みもしている。

 データ活用の取り組みも進む。日本気象協会は気温や天気などの気象データと、インテージ(東京都千代田区)が持つ販売時点情報管理(POS)データを元に、食品や日用品の需要予測をメーカーなどに提供している。

 「生産調整に生かすことにより、作りすぎでの廃棄ロスなどを減らせる」としている。

 吉野家(東京都中央区)は他の外食企業4社とともに17年10月、日本環境協会(同)から、環境配慮に関する認定「エコマーク」を取得した。

 ご飯の盛り付け量を見直して食べ残しを減らしたり、規格外の肉を肥料へのリサイクルに回したりする取り組みが評価された。吉野家の河村泰貴社長は「現場で働くアルバイトらが『なぜ取り組むのか』を理解できず、負担に思ってしまっては本末転倒。現場責任者とのコミュニケーションが大事だ」と語る。

(文=江上佑美子)