浦川泰幸アナ(ABC朝日放送公式HPより)

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報道番組「キャスト」から消滅!?

 しっかりテレビを見ている人なら、浦川泰幸アナウンサー(46)の名前を「知らない」という人は少数派に違いない。関西では稀なはずだし、全国でも潜在的には相当な知名度を有している。

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 浦川アナは1995年、アナウンサーとして大阪の朝日放送(ABC)に入社する。最初に大きな注目を集めたのは2010年。同社の看板番組「おはよう朝日です」の5代目司会者に抜擢されたのだ。特に宮根誠司アナウンサー(54)の後任だったことも話題となった。

 そして11年に「全国の顔」となる。4月から「パネルクイズアタック25」の司会を務めた。初代の故・児玉清さん(1933〜2011)が入院した時から代役を務め、5月16日に死去してからは第2代司会者として正式就任した。

浦川泰幸アナ(ABC朝日放送公式HPより)

 司会は4年続いた。だが番組は40周年を機会にリニューアル。それにともない、平日夕方の報道・情報番組「キャスト」の第2代メインキャスターに就任することが決まった。司会を谷原章介(45)に譲り、いわゆる「卒業」となった。

 浦川アナの「キャスト」は15年3月からスタート。ABCを代表するアナウンサーとして認知度は高まり、「宮根の後任」というあだ名(?)もスポーツ紙などで頻繁に見られるようになっていく。ところが昨年末になって突然、「キャスト」から“消滅”してしまう。

安倍官邸の圧力説も

 その異常事態を、在阪のテレビ局関係者が明かす。

「本当に突然でした。12月5日の放送から突然、スタジオに現れなくなり、サブキャスターだった古川昌希アナ(30)が代役を務めました。しかも視聴者への説明は全く行われず、まるで最初から浦川アナなど存在しなかったかのようだったんです。かなり異様でしたね。結局、12月21日になって唐突に『浦川アナは体調不良で休んでいます』との説明が行われ、28日には本人が放送の最後に登場し、『今日をもって卒業します』と挨拶しました。しかしながら、はっきり言って、時すでに遅し、です。ネットを中心に様々な憶測が飛び交う事態となってしまいました」

 代表的なものが、「安倍政権に批判的だったため、降板させられた」という説。さらに社内などでは「スタッフ嫌がらせ説」も囁かれたという。先のテレビ関係者が言う。

「28日に番組の最後に出演した時ですが、浦川アナが喋っている途中なのに、画面は夜景に変わり、音声も途中で途切れて終了となりました。彼ほどのベテランアナが秒読みを間違えるはずはありません。浦川アナはスタッフに厳しい態度を取ることも多く、『パワハラだと恨みを持つスタッフに嫌がらせをされたのではないか』と推測する社員もいたそうです」

 こうなれば、ご本人に話を伺うしかない。週刊新潮の記者が自宅チャイムを鳴らすと、玄関のドアを開け、「正直、『広報にお聞きください』と言いたいのですが」と釘を刺しながらも、質問には丁寧に答えてくれた。降板の理由を、浦川アナは以下のように説明する。

「母が20年前にクモ膜下出血を罹患し、よく、てんかんのような発作を起こすんです。その介護をしている中で、自分の精神状態もいっぱいいっぱいになってしまって、不安定になってしまいました。そのため『番組を辞めさせてください』と自分から会社に言ったんです」

母親の介護と愛犬の体調悪化

 実は浦川アナは17年の11月にも番組を休んでいる。記者が理由を問うと、「母親の介護のためです」と同じ原因であることを明かした。

 だが、浦川アナが28日に「卒業」を発表した後、ABC側は降板理由を「喉の不調で声が出にくい状態」と説明している。介護の話は全く出ていない。この食い違いについて確認を求めると、浦川アナは喉の不調も原因の1つとした。

「ずっと風邪をこじらせていて、特に12月には全く声が出ませんでした。身体が麻痺したりもしていましたが、それは治りつつあります」

 官邸の圧力説も質問したが、「全然ないと思います」と一蹴。パワハラ説も全否定だ。

「厳しくはしていましたが、それはないと思います。放送の最後は、たまたまちょっとスタッフのミスだったようです。嫌がらせをされたみたいなことではないと思います。実際に担当したスタッフも後から『すみません』と言っていました」

 精神的に追い詰められた理由には母親の介護に加え、犬の体調悪化もあった。実は浦川アナ、相当な愛犬家だという。

「老犬の体調が悪化し、生命の危険という時期もあったんです。母の介護に加え、犬も看病する必要に迫られました。自分がこの年まで結婚しなかったこともあり、母1人、子1人です。今では犬はかなり元気になったんですが、あの頃は『もう死ぬ』と悩み、母の介護と重なって、頭がいっぱいいっぱいになってしまいました。おかげさまで、今は母も身の回りのことは自分でできるようになってきました。炊事は今も私がやっているんですけど」

会社側は番組復帰を指示

 クモ膜下出血と言えば、globeのボーカルKEIKO(45)も11年に同じ症状で倒れ、夫の小室哲哉(59)が介護してきたことはよく知られている。

「同じような感じかもしれません。てんかんの発作は、いつ起きるか分からないので、やはり番組を担当していると家を離れる時間が長く、それだけ心配になっていました。ただ、今は母も、私の精神状態も、どちらも回復していると思います」

 現在はアナウンス部でデスクワークの日々だが、精神的な苦悩は、収まりつつある。放送の現場に戻りたいという意欲が生まれてきた。また、会社からも徐々に現場に戻るようにと指示されているという。

 実際、ABCに取材を申し込むと、書面で「会社と浦川アナの間にトラブルはありません。浦川アナは既に通常通り出勤しており、放送への出演も決まっています」と回答した。時期や番組内容など詳細は不明だが、少なくとも関西の視聴者が再び浦川アナの姿を見る日が来るのは確実のようだ。

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週刊新潮WEB取材班

2018年2月10日 掲載