一見普通のマンションの一室に、神楽坂ならではの落ち着いた雰囲気を纏ったビストロがある。意外性と落ち着きを兼ね備えた店を日常使いできることも、年下が憧れる大人の条件だ。



芸者新路から見上げると、店の窓からは温かな灯りがこぼれる
場所はマンションの一室!この意外性が肝になる
『夏目亭』

神楽坂仲通りと本多横丁をつなぐ石畳の「芸者新路」は明治時代、芸者たちがお座敷に出るため近道に利用していた小路。

普段、こうした大人の蘊蓄は煙たがれるものだが、この街では、その歴史を知れば、見える景色はさらに奥深いものに感じられる。

この小道のマンションの2階にあるのが『夏目亭』だ。看板こそ出ているものの、外からは店があるとは想像しがたい。



オープンキッチンが特徴の店内。先代から受け継いだペザント・アートが施された椅子などの家具や、内装の古木にも歴史を感じる

もとは1970年に麹町で誕生したレストラン。扉を開くと迎えてくれるのが、エバーグリーンの壁が印象的な落ち着いた店内。

デート向けのお店にありがちな薄暗い照明ではないから、女性の後輩と一緒でも気まずくならない。



丁寧に煮込んだ「和牛の赤ワイン煮込み(ブッフ・ルギニヨ)」(¥4,800)。

ワインは、供される料理ひとつひとつと楽しめるよう、ボルドーやブルゴーニュを中心におよそ100種類を誇る。

王道なビストロの味を未体験であれば、それを知るきっかけにもなる店。情緒と意外性のある立地でいただく料理は、大人にしかわからない特別な味わいだ。



夕暮れ時、開店前に打ち水された石畳が上品に光る「芸者新路」