AppleとFBIが、銃乱射事件の犯人が持っていたiPhoneのロック解除を巡って対立していた2016年2月頃、FBIのスパイと女性弁護士が交わしたメッセージの内容が公開されました。プライバシー尊重を主張したAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)を「偽善者」呼ばわりしています。

FBIのスパイと女性弁護士の親密なやりとり

米連邦上院議会に設置された「国家の安全保障と政府の政策に関する上院委員会」に、元大統領選候補のヒラリー・クリントン氏に関する調査の証拠として、FBIの諜報エージェント(スパイ)であるピーター・ストラーゾック氏と、FBIの弁護士リサ・ペイジ氏のメッセージが提出されました。
 
親しげにメッセージをやりとりする2人は、AppleとFBIが争った、銃乱射事件の犯人が持っていたiPhone5cの捜査を担当していませんが、Appleのプライバシー保護の姿勢に苛立つやり取りが見られます。

FBI長官がiPhoneのロック解除失敗を発表

まだAppleとFBIの争いが注目され始める前の2016年2月9日、ストラーゾック氏とペイジ氏がAppleを話題にし始めます。
 
この日は、FBIのジェームス・コーメイ長官が、銃乱射事件の犯人が持っていたiPhone5cのロックを解除できなかったと発表した日です。
 

 
深夜23時51分に「Appleの何が頭に来るかって?ティム・クックがプライバシー保護を語っていることだよ」とストラーゾック氏がメッセージを送ると、数分後にペイジ氏は「ええ。偽善者ね」と返しています。

ティム・クックCEOのプライバシー保護宣言に苛立ち

FBIの要求を拒否したティム・クックCEOによる、ユーザーのプライバシーを尊重する声明文がAppleの公式サイトに掲載された2月20日、2人が交わしたメッセージは、多くが塗りつぶされた状態で公開されています。
 

 
深夜0時過ぎ、ストラーゾック氏が「ああ、(塗りつぶし)は、Appleの姿勢を説明/弁護しようとしている。Appleとプライバシー保護団体が吹聴する完全に間違った姿勢だ」と苛立ちのこもったメッセージを送った後、New York Timesの記事のURLをペイジ氏に送っています。
 
21日の午前2時過ぎにペイジ氏が、大半が塗りつぶされたメッセージの最後に、メッセージが暗号化されるiMessageでのやりとりを提案しています。
 
公開された資料では、その後、短いやり取りの後、メッセージは途絶えています。

iPhoneのロック解除成功に興奮した様子

3月28日の深夜23時半頃、ペイジ氏はブライアンという人物からAppleに関する多くの話を聞いた、とのメッセージを送っています。
 
ストラーゾック氏は直後に「みんなが、その母親たちも、どうやってAppleを黙らせる方法を成し遂げたか、そしてサードパーティが誰なのか、知りたがるだろうね。ブライアンは前者のことを話してないよね。機密事項だからね」と興奮気味のメッセージを返しています。
 

 
これは、FBIがハッカー集団に約1億円もの大金を積んでiPhone5cのロックを解除させたことで、Appleとの法廷での激突を直前で回避したことを指していると思われます。

 
 
Source:Business Insider
Photo:heavy
(hato)