農林水産省が9日発表した平成29年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は、前年比7・6%増の8073億円で、5年連続で過去最高を更新した。

 和食人気を追い風に牛肉や緑茶、イチゴなどが大幅に伸びた。ただ、31年までに輸出額を1兆円にするという政府目標の達成にはさらなる加速が必要で、輸出先開拓と日本産品の付加価値を高める努力がカギを握る。

 品目別では牛肉が41・4%増の192億円となったほか、イチゴ、緑茶、コメ、日本酒などが最高額を更新した。一方、リンゴは不作で、贈答用に大玉を求める台湾向けが不調となり17・7%減。天候不良によって不漁が続いたホタテガイは15・6%減だった。

 政府目標を達成するには残り2年間で約2千億円伸ばさなければならない。このため農水省は、香港、米国、中国、台湾などの主要輸出先に対し、東日本大震災後に導入した日本産食品の輸入規制の撤廃を働き掛ける。中国やロシア、豪州などとは牛肉の輸出解禁に向け、協議中だ。

 また、丸太は中国や韓国に輸出し、製材後に住宅需要が強い米国へ輸出されるケースが多いが、政府は日本国内で製材し、米国に直接輸出するための加工施設を整備するなど輸出品の高付加価値化にも注力。さらに29年には輸出促進活動を一元的に担う組織も新設しており、斎藤健農水相は「(1兆円という)金メダルを目指す。無理だから銅メダルでいいという考えはない」と意欲をみせている。