by Allen Lee

中国は170万台を超える監視カメラを国内に設置するなど、市民に対する強固な監視体制を築いて治安と体制の維持を図っています。そんな中国が新たに治安維持の切り札として導入した、「カメラ内蔵サングラスで容疑者を判別するシステム」についてTNWが報じています。

These Chinese facial recognition glasses are a dystopian nightmare come true

https://thenextweb.com/insider/2018/02/08/chinese-facial-recognition-glasses-are-a-dystopian-nightmare-come-true/



TNWによると「中国の警察は、市民監視のための驚異的な最新兵器を導入済みだ」とのこと。2017年に導入されたというサングラス型デバイスは個人を識別する顔認識機能を搭載しており、駅や空港などの人混みを眺めるだけで、視界に入った人々の顔を秒単位でスキャンします。そしてスキャンした顔情報をもとに、データベースに登録された容疑者を照会し特定することが可能。TNWはこのシステムを「Face IDのようであり、ジョージ・オーウェルの『1984年』のようでもある」と評し、イギリスのSF作家が著した小説に登場する、強力な監視体制が確立した社会を連想させるとしています。

このサングラス型デバイスはすでに、2017年から試験的な運用が開始されている模様。鄭州の駅構内で行われた試験においては、7人の主要な事件に関わった容疑者を逮捕し、身分を偽って鉄道を利用していた26人の人物を逮捕したと発表しています。



by Jonathan McIntosh

中国は監視カメラ大国としても知られていますが、固定型の監視装置だとカメラに映った容疑者を確認しても、現場へ警官が到着するまでの間に容疑者が移動してしまい、人混みの中に紛れ込まれてしまう可能性があります。その点、警官が常に装着するデバイスに顔認識機能を搭載しておけば、迅速に対応することができます。現状では駅や空港、国境付近などに配備されるものと考えられており、容疑者の海外逃亡や偽造した身分証明書を使った違法な出入国が、より一層強く取り締まられる模様。

人権を保護することに注力しているアムネスティ・インターナショナルのウィリアム・ニー氏はこの最新装備に対し、「個々の警官がポータブルな監視装置を手にすることで、中国の監視体制がよりユビキタスなものになる」と述べています。

「中国は国民の身体情報を収集してきた上に、世界最大級の監視カメラネットワークを持っています。今回導入されたポータブルなサングラス型デバイスによって、中国の監視体制はより強化されたものになり、ディストピア的なフィクションを連想させます。中国はディストピア的な社会への階段を、着実に登り始めているのかもしれません」とTNWは述べ、警鐘を鳴らしています。