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●スイーツ新作の実力は?

あきんどスシローは13日、第34期事業戦略発表会を実施し、その中でスイーツ分野の強化を目指した新たな取り組み「スシローCafe部」を発表した。回転寿司がスイーツ分野に注力する、その狙いはどこにあるのだろうか。

○スイーツ新作はグラニースミス監修のアップルパイ

これまでスシローでは、2016年11月に東京・代官山の人気店「VERY FANCY」監修の「苺のふわとろパンケーキ」(280円・税別)を、2017年5月にはゼットンが展開するハワイアンカフェ&ダイニング「ALOHA TABLE」監修の「ハワイアン・フレンチトースト」を販売。また有楽製菓とのコラボ「ブラックサンダーパフェ」や、不二家とコラボした「ミルキーロール」といった、お菓子業界とのコラボ商品も販売したことがある。

今回は、東京・横浜に4店舗を展開する「グラニー・スミス」の監修によるアップルパイが新商品として発表された。グラニー・スミスのアップルパイは「おばあちゃんの作るアップルパイ」をコンセプトに展開するアップルパイ専門店で、素材からこだわった味には高い評価が集まっている。スシローとスイーツ人気店の監修商品としては3番目となる。

試食会が行われていたので早速食べてみたが、中のリンゴの爽やかな酸味とカスタードクリームの甘みのバランスが非常によく、パイ生地にかけられたクランブルの小気味良いサクサク感も口を喜ばせてくれる。

グラニー・スミスで言えば「ダッチ・クランブル」と「イングランドカスタード」の中間のような感じだろうか。添えられたアイスクリームとの相性も抜群で、端的に言って非常にレベルが高いスイーツだと感じられた。強いて粗探しをすれば、もう一回り大きいと最高なのだが、値段を考えたら欲張りすぎというものだろう(物足りなければ2皿食べればいいのだ)。

●「スシローCafe部」をつくったワケ

スイーツ商品を強化するにあたって、スシローでは「スシローCafe部」というブランドを設立。今後はこのブランドのもとスイーツ部門を展開していくという。

もう一つCafe部の新商品として、コーヒーが新しくなった。これまでは苦味の強い濃厚なブレンドが選ばれていたが、スイーツに合わせて苦味を抑え、酸味がやや強まった、バランスのいいブレンドに変わったという。こちらも飲んでみたが、大変飲みやすい。周囲の報道陣にも好評だったので、多くの人に受け入れられる変更になったと言えるだろう。

○コンビニスイーツがターゲット

なぜ回転寿司がスイーツを強化するのか。この背景には顧客の多様化、特に高校生などの若年層の利用が増えているという実態がある。考えてみれば、1皿が108円(税込)と価格が手頃かつ明瞭で、好きなネタを予算や腹具合と相談しながら好きなだけ食べられ、さらにスイーツも充実しているとあれば、若年層にとってはファミレスよりも手頃なのだ。子供の頃から両親と出入りしていれば、心理的な敷居も低いだろう。

ところが、こうした層が「食事をした帰りにコンビニでスイーツを買って帰る」という事例が意外なほど多いことが、調査でわかったのだという。回転寿司のスイーツは種類も質も限られているので、充実したコンビニスイーツのほうがいい、というわけだ。

そこで、こうした需要も回転寿司側でまとめて回収し、顧客単価を上げようというのが、スイーツ強化に繋がっている。スイーツが強化されることで、ランチタイム後、夕食の時間帯までの比較的店が空く時間帯に、寿司ではなくスイーツを目的とした新たな客層を期待できるかもしれない。家族連れの客相手でも、スイーツが充実していることにマイナス要因はない。

今後は新たな監修商品の投入も計画されているとのことで、和風スイーツなど新たな切り口も期待される。スシローの狙い通り、新たな客層を開拓し、顧客単価の向上につなげていくことができるか、競合他社の展開も含め、大いに注目したい。