写真はイメージ

写真拡大

 環境省は2018年度、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使って二酸化炭素(CO2)削減価値を瞬時に取引できるシステムの設計を始める。家庭が太陽光パネルの利用による削減価値を売りに出し、企業が簡単に購入できる取引市場の創出を目指す。19年11月に固定価格での売電が終わる家庭が出てくる「19年問題」が注目されている。新システムは家庭が太陽光パネルを使い続ける動機となり、企業は削減価値の調達手段が広がる。

 環境省が新システムの設計を18年度予算案に盛り込んだ。情報を次々に記録できるブロックチェーンの利点を生かす。太陽光パネルの電気を使った量を測り、家庭のCO2削減価値を算定。買いたい企業が現れると取引が成立し決済される。一世帯の削減がわずかでも、まとめると大量になるので企業も購入しやすい。

 調達した削減価値で自社のCO2排出量を減らす仕組みには、グリーン電力証書や国のJ―クレジット制度がある。いずれも排出削減事業による効果の測定や認証が必要で、企業が削減価値を買えるようになるまで時間がかかる。

 固定価格買い取り制度が終了すると、太陽光パネルの電気を売らずに家庭で使う自家消費が増えると見込まれる。足元でも売電価格は下がっており、削減価値の取引が太陽光パネル設置の家庭には付加価値となる。

 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」が16年11月に発効し、削減価値を求める企業が増えている。J―クレジットは17年度、過去最高の利用量を記録した。太陽光パネルの設置は100万世帯を超えており、削減価値の一大市場となりそうだ。