面接や説明会での質問がマイナス評価になることがある (写真:hanack / PIXTA)

インターンシップと称した実質的な採用セミナーが2月にピークを迎え、3月には正式な会社説明会がピークを迎える。今年の予測では、3月後半から面接を行う企業が急増、ほかの大多数の企業も4月後半までに開始するとみられる。

早々に行われる説明会や面接で注意したいのが「質問」だ。多くの企業は説明会や面接の最後に、「何か質問はありますか」という定番フレーズを投げかける。これはチャンスだ。よい質問は企業に好感を与える。しかし、それは諸刃の剣。場合によっては、悪い印象を与える場合もある。

まず「質問をする」ことは歓迎

これから紹介するデータは、2017年12月下旬にHR総研が行った「2018年新卒採用および2019年新卒採用に関する調査」(回答196社)の中で、「説明会や面接の際に、学生からの質問内容でマイナス評価になる質問がありましたら、例をあげてください」という質問に対する回答である。そのコメントから、企業の採用担当者がマイナスの評価をする、「NGワード」を見ていこう。


その前にまず紹介したいのは、「マイナス評価をしない」という企業が少なくないこと。質問は好奇心、活発さ、積極性の表れなので歓迎する、という意見である。

「何を質問していただいてもOKです」(従業員300人以下、メーカー)、「よほどの内容でない限りは、質問した内容についてマイナス評価をするべきではない、と考えます」(300人以下、運輸)と、いずれも寛容である。

さらには、「どんな質問でも積極的にしてくる学生はプラスの評価をしている」(300人以下、情報・通信)というように、「質問をすること」自体をプラス評価している企業もある。

逆にいえば、「質問しないことはマイナスと考える。知らないことが多いので、質問は基本的になんでもよいと思う」(301〜1000人、メーカー)、「質問がない、あるいは極端に少ないことが、マイナス評価になります」(300人以下、マスコミ・コンサル)と、質問しないとマイナス評価になる可能性がある。いずれにしても、説明会や面接では、明るく素直で快活な質問が歓迎されている。

「質問の内容は問わない」企業は多い一方で、何事にもほどほどということがある。しつこい質問をすると、人事に悪印象を与えることになる。その質問内容で多いのが勤務地や職種だ。

「海外転勤できますか?の質問」(1001人以上、サービス)は、海外勤務をしたい学生の質問だ。この企業は、海外志向の強い学生を評価していないが、これは例外といえるだろう。「海外勤務はしたくないという意図の質問」(301〜1000人、メーカー)、「海外を敬遠する意向が窺える内容のもの」(300人以下、メーカー)と、海外に行きたがらない学生をマイナス評価する企業は多い。

「転勤」を気にしすぎる学生にも、評価は芳しくない。「転勤の有無について」(1001人以上、商社・流通)、「転勤、残業の有無」(301〜1000人、メーカー)、「『最初は○○で勤務したいのですが、可能性は何パーセントありますか?』のように、勤務地を非常に気にする学生さんがいます。弊社は総合職募集ですので、「総合職」の意味を知らないのかなと不安になります」(301〜1000人、メーカー)といった声があがる。

給料や残業時間のみの質問にうんざり

転勤に関する質問がマイナス評価になるのは、”退職リスク”を懸念しているからだ。「希望の勤務地・職種以外に配属された場合、改めて異動があるかどうか、という質問でしょうか→希望職種以外なら随時異動願いを出し続けたいというように見える→退職リスクを感じさせる」(301〜1000人、メーカー)。

就活での企業研究で、多くの学生がもっとも気にするのが、「ブラック企業か否か」。自らブラック企業と名乗り、採用する企業は存在しないから、学生はさまざまな指標で見分けようとする。具体的には給与や休暇、残業、福利厚生などの実態を知ろうとする。しかし、待遇面にこだわりすぎると、働く意欲がないのではないかと疑われる。

「特定のテーマにのみ掘り下げて質問する場合はマイナスにつながる。たとえば、給与や評価に関する質問ばかりや、就業(休日・休暇・時間外)に関する質問ばかりの場合など」(1001人以上、メーカー)。

「給料や残業時間に関する質問のみの場合(質問自体は問題ではないが、そこにしか関心がないのかと思われる)」(1001人以上、情報・通信)。

「始めから条件面ばかりを気にしている(印象はよくない)」(301〜1000人、情報・通信)。

働き方改革が叫ばれる中、企業もそうした待遇面に対する質問には、しっかり答えようとしている。しかし、それだけを聞くのではなく、会社の事業に関することなど、幅広い質問をしたほうがいい。

学生は自分のポテンシャルを評価してもらい、企業は成長の場を提供するのが就活だ。ところが「プログラミング未経験でも、研修で一人前に成長できるか。サポート体制はどうなっているか。ワークライフバランスを重視するので残業は希望しないが、残業はあるのか、断ることはできるのか」(300人以下、情報・通信)というような質問をする学生もいる。残業をしないと宣言する学生を採用する企業があるとは思えない。

また、「『御社のキャリアアップはどのようなものでしょうか』とは、わかって聞いているのか。キャリアセンターが言わせているのかわかりませんが、会社は学校ではありません。各部門で必要な教育は時間をとって実施しますし、一歩上に行ってほしい方はさらに違うステップを用意しております。『御社の教育制度について教えてください』なら、わからなくはありませんが」(301〜1000人、メーカー)というように、キャリアへの人任せな姿勢に、憤りを覚える採用担当者もいる。大学やキャリアセンターが社会で働くことについて教育する必要があるかもしれない。

不勉強を露呈する質問は避ける

企業は説明会に参加する学生について、自社をある程度研究してくれている”志望予備軍”と位置づけ、説明会で志望度をさらに高めてもらおうと考えている。ところが質問で自らの不勉強を露呈させる学生がいる。

「調べればわかる(Web等に掲載済み)質問や自分本位な質問が多い場合は印象が悪くなる傾向です」(1001人以上、情報・通信)、「事前の予習(企業の下調べ)を全くしていないと感じる質問」(1001人以上、商社・流通)というように、少し調べればわかるような項目を質問することに対して、採用担当者の評価は厳しい。

具体的には「説明会や募集要項等、お渡ししている書面に書いてある内容を質問すること。たとえば、初任給はいくらですか?等」(300人以下、運輸)、「会社の基本情報に対する質問、たとえば、営業所の数、場所」(300人以下、商社・流通)といった質問が該当する。

説明会を開く企業のほとんどは、ホームページを持っており、採用や事業に関する情報を開示している。それを読まずに質問することは自分の首を自ら絞める行為に似ている。

さらには、「産休ありますか?育児休業ありますか?など、 働くことについて基礎的なことは知っていてほしい」(300人以下、サービス)というように、労働に関する基本的な法制度そのものについて、採用担当者に聞くことのないようにしたい。

ちなみに就活でよく使う言葉に、「強みと弱み」がある。便利だが使い方には注意してほしい。安易な質問に対しては、次のように厳しい評価をする採用担当者は多い。

「説明会の最後の質疑応答で、『御社の強みと弱みを教えてください』という質問をした学生は、書類選考で落としている。会社説明会を通じて、『強み』『弱み』という直接的なワードでなくとも、優位性や課題を交えて説明しているので、『何を聞いていたのか?』と感じてしまう。質問をして、印象に残そうとしているのかもしれないが、質問するための質問でしかなく、手段が目的化してしまっているため逆効果でしかないと思う」(300人以下、商社・流通)。

「説明会ではいいのですが、面接で『御社の強みはなんですか?』という質問はガッカリする。そこを調べてきて、魅力に感じ、志望してもらいたいところです」(301〜1000人、商社・流通)。

また「説明会の内容を理解していない質問(見当違いのもの)」(301〜1000人、運輸)という意見もある。質問は事前に研究したうえで、説明会での内容を加味した内容にすることを心がけたい。そうすれば好感度が上がるはずだ。企業は熱心な学生自体は歓迎している。

会社を否定するネガティブ質問はダメ

自分がその企業に入社する当事者として、「こんな新しい事業展開はいかがでしょうか?」といった前向きな提案や質問は、大いに歓迎される。しかし、「『○○はやりたくない』というマイナスの発言。ネットの中傷内容に近いものに対する確認(事実であればいいが、そうでないものがほとんど)」(301〜1000人、メーカー)と、ネガティブな質問はよい印象を与えることはない。​​​​​​​​


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人は否定されることに対して嫌悪感を抱くもので、「当社の歴史や企業姿勢に、批判的態度をにじませるような質問は、社風に合わないタイプと判断します」(300人以下、マスコミ・コンサル)というように、評価も否定的に判断されてしまう。

ここまで、マイナス評価される質問のパターンを紹介してきた。説明会や面接での質問に関するポイントを整理しよう。

1. 質問しない学生に対する評価は低い
2. 勤務地、残業、福利厚生などの待遇ばかりの質問はNG
3. 採用ページの記載事項や説明会で話した内容を再度質問するとマイナス印象
4. 会社を否定するようなネガティブな質問は避ける

​以上の4項目を踏まえた上で、採用ホームページを読むときは、不明点をメモしておくことをお勧めする。疑問が残れば、説明会で質問すればいい。質問力は問題発見能力でもある。よい質問によって、自分がそういう人材であることをアピールできれば、就活の成功は近づくはずだ。