PRO TREK Smart(WSD-F20)

 カシオ計算機は、Andorid Wear搭載のスマートウォッチ「PRO TREK Smart」において、アウトドア・スポーツ分野のアプリベンダー9社とオフィシャルパートナー契約を提携した。

 カシオはAndorid Wearを搭載した「PRO TREK Smart」シリーズを2014年から展開している。“Smart Outdoor Watch”というコンセプトで、G-SHOCK譲りのタフネス性能や、スマートフォンが圏外でも使えるマップ・ナビ機能などを特徴としている。

 今回、「PRO TREK Smart」の利便性を向上させるため、登山、ゴルフ、水泳など各分野のアプリベンダーと提携。PRO TREK Smartの推奨アプリとして訴求する。

 提携企業とはAndorid Wear向けのアプリ開発で協力。PRO TREK Smartでの動作検証をアプリベンダーとカシオの双方で実施する。デバイス上では、アプリ一覧の中の「注目アプリ」にPlay Storeへのリンクを表示し、ユーザーのダウンロードを促す。なお、今回提携が発表された9つのアプリは、PRO TREK Smart(WSD-F20)の最新版ソフトウェアの「注目アプリ」に、すでに収録されている。

 また、単体でGPSを搭載するなど、PRO TREK Smartならではの特徴を生かした機能やサービスの共同開発も行われる。

ジャンル アプリ名 会社名(所在国) トレッキング ViewRanger Augmentra(イギリス) ゴルフ HOLE19 HOLE19(ポルトガル) サーフィン GLASSY Surf Report Gradient Technologies S.L(スペイン) 釣り FISHBRAIN Fishbrain AB(スウェーデン) 水泳 MySwimPro Swimming Workout Log MySwimPro(アメリカ合衆国) 乗馬 EQUILAB Schvung Ride AB(スウェーデン) フィットネス Exercise Timer NeuronDigital(マルタ共和国) スキー・スノーボード Ski Tracks Core Coders LTD(イギリス) ストーリーラン Zombies, Run! SIX TO START(イギリス)

カシオが提携するアプリベンダー9社のうち7社の代表者が来日した

トレッキング「ViewRanger」

 「ViewRanger」は、SNS機能を備えたトレッキングアプリ。世界23カ国の山岳の詳細地図を用意し、ユーザーが投稿した15万以上のトレイルコースをダウンロードできる。

 PRO TREK Smartでは地図のダウンロード、GPSナビ機能などをオフラインで利用可能。現在地や移動距離、速度などのデータを手元で確認できる。

ゴルフ「HOLE19」

 「HOLE19」は、ゴルフ場予約からスコアの共有までサポートするゴルファー向けアプリ。世界のゴルフコースの98%にあたる4万1000以上のコースをカバーするとしている。

 ラウンド中はPRO TREK Smart単体で利用でき、グリーンまでの距離を表示したり、スコアを登録したりできる。

サーフィン「GLASSY」

 「GLASSY」は、世界1万5000のサーフィンスポットに対応するマリンスポーツアプリ。コミュニティ機能を持ち、サーファー同士で交流できる。

 PRO TREK Smartでは波・うねりの情報の表示や、サーフィン中の距離や速度の記録、スポット登録やデータの追加などに対応する。

釣り「FISHBRAIN」

 スポーツフィッシングアプリ「FISHBRAIN」は、世界で500万のユーザーを抱えるSNS。AIで分析された過去の釣果データを基に、今いる釣り場でどんな魚が釣れるかや、人気の餌、しかけなどを表示する。釣果を写真に撮って、ユーザー同士で共有することもできる。

 PRO TREK Smartでは釣り場の情報や他のユーザーの投稿などを確認できる。

スイミング「MySwimPro」

 「MySwimPro」は、スイマー向けのトレーニングアプリ。ウェアラブルデバイスではApple Watch向けのみを提供していたが、カシオの協力を得て、Android Wear版が開発された。

 トライアスロン選手から健康のためにスイミングをする初心者まで、ユーザーにあわせたトレーニングメニューを作成できる。PRO TREK Smartでは、トレーニングの進捗をリアルタイムに表示し、プールの中でもチェックすることができる。

乗馬「Equilab」

 乗馬向けアプリ「Equilab」は、馬の動きをセンサーで測り、記録を共有する機能を備える。乗馬した軌跡など、馬の乗り手が必要なデータだけでなく、馬の歩き方や体力の消耗具合を記録し、馬のトレーナーや所有者などとの情報共有にも活用できる。

フィットネス「Exercise Timer」

 「Exercise Timer」は、フィットネス用のタイマーアプリ。スマートフォンでトレーニングの内容を自由に組み立てて、スマートウォッチの指示に従って実行できる。実行した結果の記録も対応する。

スキー・スノーボード「Ski Tracks」

 「Ski Tracks」は、スキーやスノーボードの活動を記録するアプリ。滑走中かどうかを自動で判別して、1回の滑走での距離や速度、1日の平均速度などを記録する。

 Android Wear向けアプリでは、スピードや距離、高度などの情報をチェックできる。計測にはスマートフォンを一緒に持ち歩く必要があったが、カシオとの提携により、スマートウォッチ単体で計測できる新バージョンが開発された。3月に提供される予定。

ストーリーラン「Zombies, Run!」

 「Zombies, Run!」は、物語にあわせて走る「ストーリーラン」と呼ばれるジャンルのアプリ。ユーザーは音声で流れてくる物語の主人公になり、まるでゾンビに追われているかのような気分でランニングできる。

 スマートウォッチでは走った距離や速度のほか、物語の進捗も確認できる。

「カシオはスマートウォッチに本気」ウェアラブルならではの利点を提案

 カシオ計算機の副社長 中村寛氏は、「カシオ計算機は本気でスマートウォッチを伸ばしていきたい」とした上で、「スマートウォッチといえば、世間では本当に普及するのか、一時のブームで終わってしまうのなどと言われているが、我々はスマートウォッチの未来を固く信じている」と熱意をこめて語った。

 同社取締役 専務執行役員の伊東重典氏は、ウェアラブルデバイス市場の現状を紹介。フィットネストラッカーはやや低調になっているものの、カシオが勝負をかける「アウトドア向けのGPS搭載スポーツウォッチ」の分野は順調に拡大していると話した。

カシオ計算機 取締役 副社長執行役員 中村寛氏

カシオ計算機 取締役 専務執行役員 伊東重典氏

 伊藤氏が披露したIDCの調査データによると、2017年度のリスト型ウェアラブルデバイス市場は約1.5兆円という規模。そのうち、Apple Watchなどが属する「スマートウォッチ」カテゴリーが約8000億円、「フィットネストラッカー」の市場規模が約3000億円、「アウトドア向けのGPS搭載スポーツウォッチ」は約2000億円となっている。

 また、伊藤氏はスマートウォッチのユーザー層が変化しつつあることを指摘。当初はアーリーアダプターが中心だったが、現在の需要はスポーツなどに役立てるためなど明確な目的をもって選ぶユーザーに移っているとして、「スマートウォッチの市場が第2フェイズに入ったと認識している」と語った。

PRO TREK Smartの現行モデル「WSD-F20」は、3種類が発売済。ホワイトモデルは3月16日に発売予定

Google責任者「Android Wearは順調な成長」

Leor Stern氏

 発表会では、米GoogleからAndroid Wearのプロダクト・オペレーションを統括するLeor Stern氏も登壇。Android Wearプラットフォームの現状を紹介した。

 Stern氏はAndorid Wearプラットフォームについて「あらゆるメーカーが発売し、毎年2桁台の急成長を記録している」と話し、順調に拡大しつつあるという見方を示した。OSはAndorid Wear 2.0になり、Wear単体でアプリのインストールが可能になるなど進化。デバイスのバリエーションも増え、2017年には前年の約4倍となる24製品が登場したという。

 カシオについてStern氏は、「時計に対する専門知識や長い歴史を持っているだけでなく、核となるビジョンを持って製品作りに当たっている」と評価。カシオのようなメーカーやアプリベンダーと連携し、OS開発を進めていくとした。

【お詫びと訂正 2018/02/08 21:28】
 初出時、製品名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。