今年のスーパーボウルは、フィラデルフィア・イーグルスがニューイングランド・ペイトリオッツに勝利した。ピッチの外では、昨年の政治色の強い広告とは決別して、ブランドが陽気なメッセージを好んで発信し、ユーモアとノスタルジアが勝った。しかし、誰もが成功したわけではない。以下、第52回スーパーボウルで成功したブランド、失敗したブランドを紹介する。

勝ち組ブランド

Amazon:アモビー(Amobee)のデータによれば、 Amazonの90秒広告「Alexa Loses Her Voice(音を失ったアレクサ)」がUSA Todayの第30回年間アドメーター(Ad Meter)で一番高く評価され、すべてのスーパーボウル広告関連のデジタルコンテンツの9%を占めた。セレブたちを多く起用したこの広告は、Alexaの声の代わりを努めようと必死のゴードン・ラムゼイやレベル・ウィルソンとならんで、ジェフ・ベゾスがカメオ出演している。しかし、アモビーによれば、その夜もっともツイートされたスターの3番目を飾ったのは、1万4036のツイート数を生み出したカーディ・Bということだ。もちろん、カーディ・ Bやほかのセレブたちもソーシャルメディアで、そのスポット広告を宣伝していた。タイド(Tide):テレビそしてセカンドスクリーンでは、過去に話題になったスーパーボウルの広告をクオーターごとに引き合いに出しながら、Netflix(ネットフリックス)のドラマ『ストレンジャー・シングス(Stranger Things)』のジム・ホッパー役で知られているデヴィッド・ハーバーを起用した、洗濯洗剤のコマーシャルが話題をさらった。この広告でハーバーは、スーパーボウルで流れるすべての広告では、清潔な衣類が使用されているのだから、それはタイドを宣伝しているにちがいないと視聴者に問いかけている。タイドはこの試合中5万2254のツイートを生み出し、そのうち32%が肯定的、19%が否定的、そして49%がそのどちらでもないツイートだった。マウンテンデュー(Mountain Dew)とドリトス(Doritos):グッドバイ・シルバースタイン&パートナーズ(Goodby Silverstein & Partners)による広告は、モーガン・フリーマン(マウンテンデュー)とゲーム・オブ・スローンズのピーター・ディンクレイジ(ドリトス)のラップ対決で、ふたつのスナックブランドを組み合わせた。アモビーによると、Twitter上でモーガン・フリーマンが取り上げられたのは2万6074回、ディンクレイジは約1万3202回で、マウンテンデューはすべてのスーパーボウル広告関連のデジタルコンテンツで11%を占めた。スプラウト・ソーシャル(Sprout Social)によると、マウンテンデューとモーガン・フリーマンに関連するハッシュタグ#IceColdはソーシャルメディア上で1万6451メンション、一方、ドリトスのハッシュダグ#SpitFireはソーシャルメディア上で1万5372メンションだった。またマウンテンデューとドリトスはSnapchatレンズでもタイアップしており、モーガン・フリーマンとピーター・ディンクレイジが使い方を実演している。ジャネット・ジャクソンブランド:今年のスーパーボウルにはかつての勝者は登場しなかった。14年前にジャネット・ジャクソンとのステージで彼女の胸が露出するハプニングがあって以来はじめて、ジャスティン・ティンバーレイクはハーフタイムショーでパフォーマンスを行った。人々はハッシュタグ#JanetJacksonAppreciationDayを使って、胸の露出事件でジャクソンがマスコミに叩かれ続けていることに抗議し、ティンバーレイクの衣装を酷評した。ブランドウォッチ(Brandwatch)によると、試合後半のはじめまでに#JanetJacksonAppreciationDayは7万7000回以上使用され、コメントの91%は肯定的な意見だったということだ。スポティファイ(Spotify)がこのチャンスを利用している。HQ:リアルタイムトリビアアプリ、HQが1回の賞金としては最高額の2万ドル(約220万円)の提供を発表したあと、200万人がHQに参加した。つまり、ジャスティン・ティンバーレイクがペプシ・ハーフタイムショーのステージに立っていたとき、200万人がチャンネルを変えた(少なくとも、彼らの興味は部分的に自分たちの携帯電話に向けられた)ということだ。ティンバーレイクがパフォーマンスを終え、スーパーボウルがほかのコマーシャル時間に切り替わったとき、そのオーディエンスの規模は視聴者100万人まで落ち込んだ。しかし、HQのゲームが終わるまでに、このアプリには依然として25万人以上の視聴者がいた。

負け組ブランド

ダッジ・ラム(Dodge Ram):ダッジ・ラムの広告は、1968年のマーティン・ルーサー・キング・ジュニアのスピーチを背景に労働者たちとラムのクルマを映したもので、ソーシャルメディアユーザーたちから、クルマを売るために象徴的な公民権の演説を利用したことに対する批判が起こった。この広告は、ソーシャルメディアでは好意的に受け入れられなかった。スプラウト・ソーシャルは、このブランドはソーシャルメディア全体で4万8777メンションを獲得、その81%がネガティブなものであったことを確認している。フェミニズム的ではない広告:#MeTooムーブメントが国を席巻した1年、ほとんどのブランドは安全策をとり、その原因となるような点についてはコメントしないようにしてきた。3%カンファレンス(3% Conference)はすべてのスーパーボウルの広告を分析し、どの広告が女性をステレオタイプに扱わず、その広告の少なくとも主役のひとりとしてキャスティングしているか、Twitterで投票調査を行った。3%によると、多くがこのテストに合格することはなく、そこにはキア(Kia)、バドワイザー(Budweiser)、イントゥイット(Intuit)、ペプシ(Pepsi)、トヨタ(Toyota)、イエローテイルワイン(Yellow Tail Wine)、パーシル(Persil)、ターボタックス(TurboTax)、スクエアスペース(SquareSpace)、ファブリーズ(Febreze)、ミケロブ・ウルトラ(Michelob Ultra)、プリングルズ(Pringles)、ダイエットコーク(Diet Coke)、クイックン・ローンズ(QuickenLoans)、ドリトス(Doritos)、タイド(Tide)、ダッジ(Dodge)、M&Ms、スプリント(Sprint)が含まれていた。そのなかのひとつ、キアは、スーパーボウルのスポット広告で女性をグルーピーのステレオタイプとして表現したとして糾弾された。オレオ(Oreo)の停電を再び:セカンド・クオーターのCM時間の最中に短い停電があり、いくつかのブランドが2013年のオレオのリアルタイム「ダンク・イン・ザ・ダーク(暗闇でもオレオをミルクにひたして食べることができる)」マーケティング戦略を再現しようと試みたが、期待したほどの効果は得られなかった。Ilyse Liffreing(原文 / 訳:Conyac)