photo: Courtesy of Inditex

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 1月26日、ZARAが英国ロンドンのストラットフォード地区に、またしても新たな200屬離好據璽垢鮖ったショップをオープンした。この店舗のオープンに際し、ZARAの親会社インディテックス(Inditex)のCEOパブロ・イスラは<「オンラインの世界を導入した我々のショップは戦略上のまた一つの前進だ」>と述べている。(参照:「El Pais」)

 パブロ・イスラは予てから、インディテックスは2018年から新しいコンセプトでショップを展開させて行く、ということを盛んに述べていた。それがこの、「また一つの前進」と言わしめるこのショップなのだが、果たして既存の店舗と何が違うのか? 実は、このショップは、「ネット販売」を対象にした店舗なのだ。

 ZARAがオープンしたこの新店舗、そこには支払いのレジも試着室も存在しない。ショーウインドーもない。その代りに壁面のガラスにはアパレルが映写されることになっているという。そして購入と決済は飽くまでインターネットを通して行ってもらうことになっているという。

◆まるでSF映画。未来型アパレルショップ

 さて、この「ネット販売」特化店舗、実際に利用してみるとどのような感じなのか? 各メディアの報道を元に、再現してみよう、

 お客が一旦、店内に入るとそのショップが消費者に訴えたい代表的なアイテムが展示されているのに気づく。お客はそれを見ることができる。店員はタブレットと携帯でお客からの相談をその場で受けて接客することになっている。そして、お客が気に入った服を更に詳しく見たい時には、店員がタブレットで総合カタログをお客に紹介することになっている。

 お客が気に入った服の全体像を見たい時にはREIDシステムを利用してそれを確認できる。そして、それにマッチする他の服やアクセサリーも同時に見ることができる。

 支払いはBluetooth決済ができるようになっている。購入した商品の発送は、午前中に購入を済ませた場合は、同日中に受け取れるシステムになっている。午後の購入だと、翌日配達される。お客自らが購入した商品を持ち帰りたい場合は引き渡し場所で2400コのパッケージを識別し処理できる能力を備えた小型ロボットが応対することになっているそうだ。(参照:「El Pais」、「ABC」、「ecommerce-news」)

 また、ZARAは、この200屮好據璽垢離轡腑奪廚ある場所に、1月29日から4500屬稜箴譽好據璽垢鮖った大型ショップの建設工事が開始し、5月の完成を目指しているという。英国の旗艦店となって登場することになっているそうだ。そこには、女性用、男性用、子供用のそれぞれアパレルコーナーが設けられ、この3つのコーナーに加えて今回初登場したネット販売専門コーナーが設けるられることになるのである。即ち、これからの広い売場スペースをもったZARAショップにはネット販売を専門にしたコーナーが設けられるということになるというのである。これが正にパブロ・イスラが昨年言及していたZARAショップの新しいコンセプトになるのである。

 ZARAがネットでの販売を開始したのは2010年からであった。スペインの直接のライバルMangoは2000年からネットでの販売を開始していた。だから、ZARAはライバルとネット販売で十分に競争できるのだろうかと疑問がもたれていた。

 しかし、その懸念はすぐに吹っ飛んでしまった。<ネット販売を開始してから数時間で1200の注文を受けた>のであった。(参照:「El Pais」)

 そして、昨年のインディテックスのネット販売の売上は<11億37000万ユーロ(1535億円)を達成し、2016年の8億4000万ユーロ(1134億円)と比較して35%の伸び>となったのである。その結果、5730万ユーロ(77億3600万円)の粗利をもたらすことに繋がった。

 2016年にヨーロッパでネット販売を行っていたのは20か国であったが、現在5か国増えて25か国でネット販売を展開している。(参照:「El Pais」)

 ファストファションのブランドが、ネット販売を対象にしたショップをオープンするというのはインディテックスが初めてのケースである。それをZARAが誕生した国、スペインの首都マドリードではなく、ロンドンに登場させたというのには理由がある。ヨーロッパにおいてアパレルのネット販売で一番発展しているのは英国で販売の51%を占めているからである。スペインの場合はまだ僅か14%だけでしかない。(参照:「Modaes」)

 ネット販売の分野でもインディテックスはアパレル業界で旋風を巻き起こすことになりそうだ。

<文/白石和幸 photo by Gpccurro via Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0) >
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。