NTTドコモのアイフォーン8の発売イベント

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 NTTドコモは顧客情報を一元管理するデジタルマーケティング基盤(DMP)を構築し、データを活用したビジネスを本格化する。携帯電話などドコモ回線契約者約7500万人の履歴を分析し、ユーザーの好みに合ったコンテンツ推奨などの施策を講じる。動画配信や物販など複数のサービス利用を促すことで、ユーザーの購入頻度や単価を上げて収益拡大につなげる。パートナーと連携し販売チャンネルを横断することも視野に入れ、データ活用を高度化させてユーザーの利便性を高める。

 ドコモはウェブサイトやコンテンツサービス、携帯販売店、アンケートなどの顧客接点から得たデータを約7500万人のデータベースに取り込み、ユーザー一人ひとりの趣味・嗜好(しこう)を捉え直す作業を完了させた。一律的ではなく、ユーザーに応じた運用ができる。

 これを基に2018年度から、コンテンツサービス「dサービス」間の連携を始める。音楽配信サービス「dヒッツ」では、ユーザーの好きなアーティストを把握し推奨している。だが、そのアーティストのライブ映像を見たいと思っても動画配信サービス「dTV」と連携しておらず推奨できない。そのためユーザーの好みを把握し、一つのストーリーとして訴求する。

 さらにマツモトキヨシなどパートナーと、それぞれのデータを共有。実店舗とウェブサイトという具合に、販売チャンネルをシームレスにつないだデータの活用にも取り組む。

 例えばウェブサイトで閲覧した商品について、店舗の近くを通ったらプッシュ通知で販促情報を提供したりする。データの共有により、1社では補足できなかったユーザー像を明らかにし、店舗への送客に役立てる。個人情報を扱うため「お客さんの同意やセキュリティー対策などを慎重に進めている」(ドコモデジタルマーケティング推進室の長妻大育担当部長)という。

 ただユーザーへの訴求は、その質やタイミング、ボリュームの見極めが難しく「リアルタイムでのユーザー把握が課題になる」(同室の日影浩隆担当部長)。例えばユーザーが店舗の近くを通る時間を把握していなかったり、前日のデータを基に商品を推奨しても当日の閲覧データと異なれば的外れになったりする可能性がある。

 そのためデータを蓄積し、人工知能(AI)を用いたデータ分析など高性能な処理を行い、いかにユーザー理解を深められるかがこのビジネスのポイントとなりそうだ。

携帯3社、通信料伸びる
 携帯電話3社の2017年4―12月期連結決算が7日までに出そろい、2社が営業増益を確保した。主力の通信料収入が伸長し、各社とも計画比では堅調だった。国内のスマートフォン市場では格安スマホが台頭しているが、携帯各社の割安な料金プランや、傘下の格安ブランドを活用した顧客流出対策が効果を発揮している。

ソフトバンクグループの営業利益は、前年同期比23・6%増の1兆1488億円だった。携帯電話子会社の米スプリントの業績改善などが利益を押し上げた。

国内通信事業は顧客への還元策などの先行投資により、営業減益。ただ、スマホ純増数は格安ブランドの「ワイモバイル」の拡大により、113万件に上った。光回線サービスもスマホとのセット販売を強化したことで契約数が大幅に伸びた。

NTTドコモの営業利益は前年同期比で微減。特殊要因である減価償却方法見直しによる増益幅が縮小した。ただスマホなどの通信料収入は堅調。端末販売関連収支も「iPhone(アイフォーン)8」などの販売で改善した。佐藤啓孝最高財務責任者(CFO)は「特殊要因を除く営業利益は、社内の見立てより強めに推移している」と述べた。

一方、KDDIは増収、営業増益。モバイルのau契約者数は減ったが、傘下の格安スマホの収入増などにより、モバイル通信料収入全体では増収を確保した。また、17年7月に始めた新料金プランの累計契約数が500万件を突破。田中孝司社長は「(新プラン投入以降)解約率の改善傾向が続いている」と強調した。