再任が決定的だという村井チェアマン。3期目ではどんな改革を行なうのか注目だ。(C)Getty Images

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 先日、Jリーグの理事会で3月に任期が満了する村井チェアマンの再任が決まったという。村井チェアマンは2014年に現職に就き、リーグ運営の舵を取ってきた。その功績には、2016年に英国のインターネット動画配信大手のパフォームグループと10年間で約2100億円の大型放映権契約を締結したことが挙げられる。
 
 Jリーグチェアマンに就任する前はリクルートの関連会社の社長を務めるなど、周囲の人間とは異なる“目”を持っているのも特長だ。独自の感覚を活かして、是非ともドラスティックな改革を行なってもらいたい。歴代のチェアマンに比べ58歳と若いし、日本サッカー界に蔓延している旧態依然とした空気を吹き飛ばしてほしいね。
 
 チェアマンの任期は1期2年で、村井体制は3期目へと入る。川淵さん(1991年から2002年まで務めた)以来の長期政権になりそうだが、これまではトップがコロコロと変わりすぎていた。一度の任期中(2年)にやれることなんて限られるし、チェアマンが交代すれば、指針はブレるし、リセットされる。そういう意味では長いビジョンで村井チェアマンにJリーグの運営を任せても良いのかもしれない。
 
 ただ、その仕事ぶりに問題がないのか評価することも必要だ。今回は他に候補者がいなかったから再任を果たしたようだが、どういう経緯で決定に至ったのか、Jリーグ側もしっかり説明すべきだよ。それに周囲の人たちも積極的に意見をぶつけてもらいたいね。村井チェアマンがひとりで行動するだけじゃ、日本サッカーの発展は見込めないから。
 
 もっとも前途は多難だ。リーグ人気は低迷する一方だし、2018年シーズンの開幕が迫っているのに平昌オリンピックに話題を取られ、注目度は例年以上に低い。
 
 人気選手たちが次々に海を渡っているのも痛手だろう。お客さんを呼べる選手は明らかに減っている。今年1月には日本代表の主力に成長した井手口がリーズへ移籍(2017-18シーズンはスペインのクルトゥラル・レオネサでプレー)した。井手口は移籍会見で「もっとレベルの高いリーグで、自分自身を磨きたい」と語っていたが、ステップアップを目指す選手は今後も増えるだろうね。
 
 そもそも、今の子どもたちにとってJリーグは憧れの場所ではなくなっているんだ。目指すのは海外のビッグクラブ。日本人のレベルが上がったからと言えば聞こえは良いが、Jリーグの魅力が損なわれているという見方ができるんじゃないかな。給与面や環境面にしてもなかなか厳しい現実があるからね。
 
 一方、昨年には元ドイツ代表のポドルスキがヴィッセルに、今オフには元ブラジル代表のジョーがグランパスに加入したけど、リーグ開幕時と比べて大物が日本にやって来るケースは減っているよね。海外の選手が来たいと思えるようなリーグではなくなっているということだ。村井チェアマンが一瞬にして状況を変える“手品”のような打開策を打ち出せれば良いが、それは現実的ではない。
 
 それに6月のロシア・ワールドカップで日本が不甲斐ない結果に終われば、さらにサッカー人気は落ちるだろう。でも、今のハリルジャパンの戦いを見ていると、最悪のケースも覚悟しておくべきだと思う。

 J開幕から25周年という記念すべきシーズンには、課題が山積している。これをどう打開していくのか村井チェアマンのリーダーとしての資質が問われる。3期目は苦しいシーズンになりそうだ。