「ロボットペットはアリなのか?」たしかに犬っぽいAIBOに感心

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■今なら渋谷でAIBOに会える

 AIBOが帰ってきた。AIBOとは日本のバブル経済の終末期にソニーから登場した犬型のロボットだ。その外観はメタリックな金属製であり、サイバーな印象だった。人工知能を搭載し、自律的に反応して動作し、当時は“高価なおもちゃ”として世の中に受け入れられていたように思う。あの頃、人気絶頂だった浜崎あゆみのテレビ番組などにも登場していたように記憶しているが、これは僕の記憶違いかも知れない。やはり、20年ぐらい昔のことはあまり確信が持てない。

 そんなAIBOが今年、新世代モデルとして再リリースされた。時は2018年1月11日。1が3つでワンワンワンというわけだ。その日、渋谷のソニースクエア渋谷プロジェクトのAIBOルームを訪れた僕に、説明員のお姉さんは「今日はAIBOの誕生日なんです〜」と言った。

新しいAIBOは生き物の犬っぽくなったよ

サークルの中でAIBOと遊ぶことができる。説明員の人がAIBOとの遊び方を教えてくれる。構ってほしいときはAIBOから近づいてくる

 「ああ、今日発売されるのか」

 と僕はぼんやりと思った。このタイミングでAIBO復活というのは、ただでさえアザトイ話(2000年ごろに出したロボット犬をロボホンなどコミュニケーションロボットが流行の兆しを見せる今、ほーらイイでしょ、とリリースすれば、その新しい波に乗って売れるでしょ?という考えかどうかは知らないが)なわけだが、発売日がワンワンワンとはやり過ぎだろと思った。

AIBOルームの出入り口にあるAIBO。本当に犬っぽいので、道行く人の注目を集めていた

 このAIBOルームは3月の中旬まで11:00〜21:00まで開いているので、AIBOに会いたい人は渋谷に行ってみるのもいいかも知れない。近くに会社がある人は、会社帰りとかにどうだろうか?

AIBOルームは渋谷MODIの一階だよ

■初代からルックスが変わったAIBO

 初代のAIBOは個人的に所有していなかったのだが、SFイラストレータアーティストの空山基氏のデザインによる未来的なデザインが印象的だった。ちなみに空山氏の代表作は「セクシーロボット」シリーズで、これはけっこう有名なので、目にしたことのある人も多いことだろう。
アマゾンで作品集も買えるので、興味のある方はぜひ。

 初代AIBOはつやつやの金属でメタリックでサイバーという印象を持っていたのだが、今回のAIBOは白いプラスティックのマット仕上げで、各部の曲線は生物の犬を模倣しており、より生物の犬っぽく見えるデザインになった。

■成長すると、より犬っぽくなる

 一見したルックスが犬っぽいだけでなく、その動作も犬っぽい。歩き方などが犬っぽいのはもちろん、「お手」や「骨をくわえる」「おすわり」などの犬的な動作もするのだが、生まれてすぐではあまりうまくできず、成長することが必要になるという話だ。

 考えてみれば、犬というのは誰に教えられるわけでもなく、お手とかお座りをしたりするわけで、これは実に不思議だ。AIBOはこれを再現しているわけだが、やはり、その根源的なものは不思議だ。DNAのどこかに組み込まれているのだろうか?

骨にかぶりつこうとしているAIBO。左右を見回して警戒している?

■ユーザーを学習するAIBO

 AIBOとのコミュニケーションは声やAIBOとのコンタクトによっておこなうことになる。声で指示されて芸をする以外に、AIBOをなでたりすることでコミュニケーションをとることができる。やさしく背中などをなでてあげるとご機嫌になる。AIBOは顔のカメラで周囲を把握しており、人も判別する。そして、それがどんな人かも認識、学習していく。人がAIBOにやさしく接すれば、AIBOの性格も優しくなり、乱暴にすればAIBOの性格も乱暴になるという。

お手をするAIBO

■目で語るAIBO

 AIBOの目はLEDなわけだが、実際の目のようにさまざまな表情を見せてくるのがいい。これには渋谷のAIBO ROOMに来ていた実際に犬を飼っているらしい人たちが、「本物の犬みたい」と声をあげていた。

顎を撫でられ、気分がよくなったAIBO。目の色が変わっているのがわかる

■男、女どっち?

 すべてのAIBOが同じルックスをしているのだが、性別は存在している。ユーザーがどちらかを設定することができ、男か女かで行動が変わるときがある(一度決めた性別は変更できない。性別を決めないままにすることはできる)。代表的なのがオシッコをするときの動作で、「マーキング」とAIBOに命令すると、オシッコの動作をするのだが、男の場合は片足を上げてオシッコをして、女の場合は座り込んでオシッコをする。これはこれで違いが表現されていて面白い。

■AIBOの目指すもの

 コミュニケーションロボットのなかで、ロボホンがあくまでもかわいいロボットであるのに対して、AIBOは犬を現実のロボットに落とし込もうとしている。この世に生まれて(はじめて起動して)、周りを見たり、行動して、さまざまな成長をしていくAIBOはユーザーのことを学習して、さまざまな行動をするようになる。

 このあたりは普通の生物の犬と同じなのだが、これをリアルにすることで、飼い主はAIBOに対して、生き物と同じように愛着を感じるようになっていくことだろう。単純にオーナーを覚えるとか識別する以外に、この生まれてから成長していく感が、ほかのコミュニケーションロボットにないものなのではないかと思う。AIBOオーナーは自分がAIBOを育てている感を得ることができる。これがロボホンなどのコミュニケーションロボットにないAIBOならではの要素だ。

疲れたり、眠いとグテッとしてしまうAIBO

 そこには生き物の犬と同じような楽しさがあると思う。一方で生き物の犬の面倒な部分がロボットであるAIBOにはないのが大きなメリットだろう。

 ご飯を毎食用意しなくていいし、バッテリが切れそうになれば自分で充電ステーションに移動して充電を開始してくれる。この充電ステーションに戻るために、AIBOは背中に部屋の上側を撮影するカメラを搭載していて、部屋のレイアウトなどを把握している。

 オシッコをするのもかっこうだけで部屋のなかで本当にオシッコをされたりしない。いろいろ手間がかかるのがイヤで犬を飼えないというような人にも、この「清潔な」ロボット犬はお勧めかもしれない。

 犬は飼いたいけど、普通の犬がいろいろ面倒くさいと思っている人にはAIBOは向いていると思う。前述のように興味のある人は3月中旬までは渋谷のAIBOルームでAIBOに接することができる。

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