仮想通貨は胴元が一番儲かる

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 仮想通貨「NEM」を580憶円分流出させた「コインチェック」や、国内最大手・ビットフライヤーに並ぶ取引高を誇る仮想通貨取引所「ザイフ」を運営するテックビューロの朝山貴生社長(42)は、「敏腕IT社長」として名の通った人物である。

 関西大学商学部在学中の21歳の時にネット広告などのシステムを取り扱う「オーバーテックス」を創業。

 大学を卒業した1998年には日本からエンジニアを連れて行き、シリコンバレーで会社を設立。多角的なネットサービスを開始した。

「朝山さんは、まだ国内では発売していないグーグルのハイテク眼鏡型パソコン『グーグルグラス』の試作品を持っていて、顔を合わせればその話ばかり。周囲は『グーグルの手先か』と冷やかすほどですが、また新ビジネスのネタを考えているのかも」(IT企業関係者)

 金融とは異業界から転身したのが、QUOINEの栢森加里矢社長だ。東大卒業後、ハーバード大学経営大学院でMBAを取得した。その後は三菱商事に入社し、新規事業担当としてナチュラルローソンの創業に携わった。その後、米国のベンチャーキャピタルを経て、ソフトバンクに転職。シニアバイスプレジデントとしてアジア事業を統括。2016年4月にCEOに着任した。

 国内の取引所にはただ1人、外国人社長がいる。BTCBOXのデイビッド・チャン氏は中国出身で、瀋陽工業大学卒業後、2008年からアップルの製品開発に携わり、その後、2014年3月にBTCBOXを創業した。

「エンジニアとしての能力は業界随一。母国・中国ではなく、留学先の日本で取引所を設立した理由は『日本が仮想通貨の発展から取り残されてしまうのが許せなかったから』。それくらい日本愛は強いようです」(IT業界関係者)

 実体がないにもかかわらず、価格が変動する“仮想”の通貨。そしてその値動きによって収益を得ている“胴元”の姿。どちらも掴み所がないあたりに、仮想ビットコイン投資の本当の怖さがあるのかもしれない。

※週刊ポスト2018年2月16・23日号