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■相手を苛立たせない&バツが悪く感じささせない「物腰」

まず、貧乏ゆすりは、誰もがしてしまうもの。ストレスによって体が緊張して、そのこわばりを解消するために起こる、無意識な反応です。1つの考え方として、大きなストレスを抱えてしまったときに、辛い自分から目を逸らすように、意識しないうちに体が動くようになる。

貧乏ゆすり以外にも、体のどこかを触ったり、髪をいじったりするのも同じような反応です。たとえば、ペン回しがクセになっている人もいるでしょう。隣席の相手も、貧乏ゆすりではなく、そのような他人に迷惑のかからない方法に変えてくれればいいのですが、無意識にやっていることですので、行動を変えてもらうのは難しいものです。

貧乏ゆすりをしているということは、相手はストレスによって論理的な思考力が減退している可能性が高い。無下に声をかけると、相手を苛立たせてしまうかもしれません。強面の同僚や、上司に指摘するならなおのことです。

ただ、そのままにしていても問題は解決しませんから、声をかけるしかない。その際に重要なのは「こちらが仕事に集中できないから、協力してくれませんか」と、下からお願いすることです。本人は自分の貧乏ゆすりを意識していないわけですから、指摘されると体裁が悪い。どんな人でも、「自分が悪いと思っていない」ことを指摘されると、うろたえてしまうもの。善意で声をかけたとしても、思わぬ反発を受ける可能性もあります。極力、相手の気まずさを低減させてあげる振る舞いをするのが大切です。

貧乏ゆすりをやめてもらいたいのは、あくまでも「こちら側の都合」だと考えるようにしてください。批難するような素振りはいっさいみせないことです。「やめてくれると嬉しい」と、お願いをするかたちにして、相手がやめてくれたら、「ありがとう」と感謝の言葉を添えます。

■貧乏ゆすりが気になる人は自分に余裕がない

声をかけるときは、決して、高圧的になってはいけません。いちばんよくないのは、「逆ギレ」してしまうこと。いままで我慢していたけど、限界だ――。そんな気持ちに陥りがちですが、相手のほうは、自分が迷惑をかけたと思っておらず、あなたが苛立っていることにも気づいていない。「あんなに怒るんだから、直そう」と思ってくれるとはあまり期待できません。揉め事になってしまう恐れのほうがよっぽど高いのです。

相手の貧乏ゆすりを放っておくと常態化してひどくなる恐れもあります。自分のなかのイライラをためないためにも、お願いするなら早い段階で声をかけるほうが、お互いにとって幸いというものです。

一方で、大人になって振る舞うためには、こちらのほうに精神的な余裕が必要です。そもそも、隣席の貧乏ゆすりが気になるということは、よほどの物音が立っているのでもないかぎり、細かいことが気になってしまうほど、あなた自身に余裕がないからではありませんか。貧乏ゆすりをする人がいる。それを許せない人がいる。職場全体が忙しく、働く人みんなの心にゆとりがないのかもしれません。

(聖心女子大学教授 菅原 健介 構成=伊藤達也 写真=iStock.com)