みなが異口同音にいうように、この1年はメディアにとって波乱の年だった。営利目的のための政治的に偏った報道や、誤った情報のシェアに見られたように、フェイクニュースの急速な拡散が起き、プラットフォームの内外を問わず、人々のメディアへの信頼は大きく揺らいだ。GoogleとFacebookに対しては、フェイクニュース拡散に加担した責任を問う圧力が高まり、ドイツやフランス、イギリス政府は規制の導入を検討している。プラットフォーム側は、ファクトチェック制度を発足させ、過激なコンテンツへのフラグ付けを推進している。最新の動きとして、Facebookはメディア企業から距離を置き、ニュースフィードでのパブリッシャーポストの優先度を下げ、どのパブリッシャーが信頼に足るかの調査にユーザーの参加を促している。メディアへの信頼に関する現状を示す、5つのグラフを以下に紹介する。

プラットフォームへの信頼は過去5年間で最低

PR会社、エデルマン(Edelman)が提供する「トラストバロメーター2018(Trust Barometer 2018)」という調査によると、ソーシャルプラットフォームへの信頼は2017年から2ポイント減少した一方、ジャーナリズムへの信頼は5ポイント増加した(回答者はプラットフォームへの信頼を9段階評価で回答した)。2015年にはプラットフォームへの信頼がジャーナリズムへの信頼を上回っていたのとは大違いだ。

Source: Edelman Trust Barometer

レポートによると、プラットフォームへの信頼は調査した28カ国のうち21カ国で低下。イギリスでは、レガシーメディアへの信頼が昨年の48%から61%に上昇した。

ソーシャルメディアは社会に有益か? 世論は二分

同レポートによると、イギリスの回答者はソーシャルメディア不信の理由として、プラットフォーム上での非倫理的行為や違法行為を野放しにしていること(70%)、過激なコンテンツを拡散していること(70%)をあげた。「ソーシャルメディアは、私が好きな人たちとの関係を保つのに有益だ」という問いには、回答者の70%近くが「同意する」または「どちらともいえない」と答えた。一方、「ソーシャルメディアは、社会に有益な作用をもつ」という問いには、34%が「同意しない」を選んだ。

Source: Edelman Trust Barometer

調査の結果、イギリスの回答者はソーシャルメディア規制の強化を望んでいた。64%がプラットフォームへの規制は不十分だと考え、62%はプラットフォームが個人データを広告主に売ることを懸念していた。

レガシーメディアの行動指針を疑うオーディエンス

エデルマンのレポートからは、メディアへの健全な懐疑主義が見てとれる。世界全体では66%の回答者が、メディア機関は報道よりもオーディエンス拡大に傾倒しすぎていると考え、65%は他社より先にニュースを伝えるためにメディアは正確性を犠牲にしていると考えていた。また回答者の6割近くが、メディア機関は大衆に正確な情報を伝えるよりもイデオロギーを支持すると答えた。イギリスでは、ニュースを読む量が減ったとする回答者の33%が、主な理由としてニュースソースの偏りをあげた。

Source: Edelman Trust Barometer

レガシーメディア、事実と意見の区別に改善の余地あり

ロイタージャーナリズム研究所(Reuters Institute for the Study of Journalism)のグローバルレポートによると、回答者の40%が、レガシーメディアは事実と意見をうまく区別できていると答えた。ソーシャルメディアに関する同じ質問では、この割合は24%にとどまった。

Source: Reuters Institute for the Study of Journalism

両メディアには、まだ改善の余地が残されている。レポートによると、特定の政党を支持する考え方そのものは問題ではないが、それがニュース記事の体裁をとり、事実が歪められている場合は嫌悪の対象となるようだ。年齢、人口統計学的属性、そして政治や経済的立場に関して多様性のあるメディアを心がけ、ジャーナリストによるファクトチェックのプロセスを明確化するのが、有効な策といえるだろう。

政府への信頼とメディアへの満足度に正の相関

ピュー研究所(Pew Research Center)の調査によると、国内メディアへの満足度と、国のために正しいことをしてくれるだろう、という政府への信頼度には、強い正の相関があるとわかった。両者の差がもっとも大きかったのは、ベトナム、スウェーデン、イギリスだった。米国では、政府を信頼する回答者と信頼しない回答者で、メディアへの満足度に差は見られなかった。

Source: Pew Research Center

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)