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元 国税局職員さんきゅう倉田です。枕の下には「税務六法」を敷いて寝ています。

恐ろしい確定申告の季節がやってきました。確定申告にはいくつか種類がありますが、2月や3月に世間が騒いでいるのは、所得税の確定申告です。所得税は、所得にかかる税金。読者のみなさんは、所得=お給料だと思っていませんか。お給料も所得には違いないのですが、所得は全部で10種類あります。

今回は、10種類の所得ついて解説します。1/4くらい覚えれば、あなたは職場で「税金に詳しいやつ」の称号を得られるでしょう。

○「所得」とは何か

そもそも「所得」がなにかわからない方。厳密に言うと違うんですが、今回は便宜的に、所得は「収入」のことだと思ってください。収入は「お金を得ること」ですよね。お金を得る方法にはいろいろあります。会社で働いたり、不動産を賃貸したり、株を売ったり、競馬で勝ったり。そういったお金を得る方法によって「所得」の種類が分けられています。

なぜ分けているかと言うと、所得によっては、経費が認められたり、国の優しさで半分にしてくれたり、50万円引いてくれたりするんです。それは、所得の種類でぜんぜん違うので、所得税を計算する前の段階で、所得を分けています。

○1. 利子所得

預金の利子。他にもありますが、読者のみなさんに関係があるのは、預金の利子。銀行に預金があっても、利子がほとんどつかないので、気にする必要のない所得。

○2. 配当所得

株主が会社からもらう配当。株を持っている人は関係がある。株を売らなくても、配当という形でお金がもらえますが、それが配当所得です。一生株をやらない人は、気にする必要のない所得。

○3. 不動産所得

土地、建物、クルーザー、クイーンエリザベス、飛行機、ヘリコプター、UFOの貸し付けの所得。とにかく、不動産を誰かに貸して収入を得ている人は、不動産所得が発生します。船舶や航空機も不動産として扱われます。

最近はやりの「不動産投資」も不動産所得になります。不動産投資は、物件を見つけ、ローンを組んで、その物件を買って、誰かに貸して、家賃とローン+経費の差額で利益を出す投資です。

○4. 事業所得

農家、漁師、電気工事、大工、美容師、芸人、アイドル、俳優、歌手、漫画家、ホステス、画家。ほとんどの個人事業は、事業所得になります。状況によっては、雑所得になる方もいますが、専業の方は、基本的に事業所得です。請負で仕事をもらったり、お金を報酬で支払ってもらったりしていたら、事業所得の可能性が高いです。

同じ職業でも、会社に所属していて、給与でもらっている場合は、給与所得になります。

○5. 給与所得

会社員、パート・アルバイト、社長、公務員、議員。事業所得で掲げた職業でも、会社や別の誰かの時間的・空間的拘束を受ける場合は、給与所得になります。会社に属しているなら、ほとんどの場合、雇用契約を結んでいると思いますので、そういう方は給与所得です。

○6. 退職所得

退職により勤務先から受ける退職金。

○7. 山林所得

山林を伐採して譲渡、または、立木のままで譲渡することによって生ずる所得。みなさんが急に木こりになることはないと思いますので、気にする必要のない所得。

○8. 譲渡所得

土地、建物、株といった資産を譲渡することによって生ずる所得。「譲渡」というのは、人に物をあげるのではなく、物を売ることです。「譲り渡す」と書くので、「タダであげるのか?」と思われる方もいるやもしれません。「売買」のことです。

ただ、みなさんのご家庭にある日用品や家具を売っても、所得にはなりませんので安心してください。フリマ、ヤフオク、メルカリで販売しても、所得になりません。

○9. 一時所得

1から8に該当しなくて、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外で、働いたり、物を売ったりしてないのにもらえるお金。例えば、競馬、競輪、競艇、パチンコ 、企業からもらったお金、TBSの「カイジ」特番の賞金200万円です。

○10. 雑所得

1から9にも該当しない所得。年金やちょっとした副業がこれに当たります。

所得は、一人ひとつではありません。複数の所得があれば、それらをすべて申告します。あなたがふいに得たお金も、もしかしたら所得として申告が必要かもしれません。

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○さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。ツイッターは こちら