By Kecko

「HappyOrNot スマイリーターミナル」はHappyOrNotによって開発された、顧客満足度を簡単に調べるために装置です。スマイリーターミナルのパネルに紙で質問を貼り、利用者はターミナルにある4つのボタンのいずれかを押すだけで回答を入力します。ボタンは4色に色分けされていて、緑は「非常に幸せ」、黄緑は「幸せ」、ピンクは「不満」、赤は「非常に不満」を示しており、ボタンに表情が描いてあるので、直感的にもわかりやすいインタフェースとなっています。海外メディアの「The New Yorker」の記事を見ると、「HappyOrNot スマイリーターミナル」を設置することで、どのような効果があったのかがわかります。

Customer Satisfaction at the Push of a Button | The New Yorker

https://www.newyorker.com/magazine/2018/02/05/customer-satisfaction-at-the-push-of-a-button

ヨーロッパのとあるガソリンスタンドチェーンでは、「HappyOrNot スマイリーターミナル」を導入し、150の店舗で顧客満足度を調査し、評価結果を調べてみました。順位付けすると、当然満足度1位の店舗と最下位の店舗が現れます。ここで、ガソリンスタンドチェーンを経営する役員は、「顧客満足はサービスの質以外の影響も受ける可能性がある」と考え、試しに1位の店舗のマネージャーと最下位の店舗のマネージャーを入れ替えてみました。すると、最下位の店舗の顧客満足度が1位になり、逆に1位だった店舗の顧客満足度が最下位になったため、このマネージャーは解雇されたとのこと。



By Mike Mozart

これまでアンケートを取るなどして、非常に手間のかかっていた調査が、「HappyOrNot」の登場によって、極めて単純化されました。顧客満足度を正しく評価するためには、十分な数の回答を集める必要があります。しかし、毎日何百万人の人々がアクセスしているAmazonの商品評価も、ほんのわずかな回答に基づいた結果であり、本来の評価と逆に評価する人がたまたま多い場合は、商品が何カ月にもわたって、逆の評価の影響を受け続ける可能性があります。

「HappyOrNot スマイリーターミナル」を導入すれば、1日に何千もの評価を受けることができます。ターミナル自体は誰から評価を受けたかはわからないものの、評価を受けた時間は記録しており、「HappyOrNot」を導入したとあるクライアントでは、毎朝10時に特定の店舗の顧客満足度が急落することがわかりました。防犯カメラで店舗の様子を確認すると、とある従業員の仕事が遅いことが判明したため、該当する従業員を再教育することで、仕事の速度が上がり、顧客満足度の改善につながったとのこと。



By Clean Wal-Mart

スウェーデンのソファ小売業者では、午後4時から夕方にかけての売上が多く、午前中から午後にかけての売上が少ないことから、役員は「午前から午後3時頃まで働いている従業員は何が悪いのか?」を調べるため、「HappyOrNot」を導入し、顧客満足度を調査しました。すると驚くことに、顧客満足度が一番低い時間帯が午後4時以降だったのです。そこで、午後4時以降の時間帯に、営業担当を増員し、収益を改善させたとのこと。結果を見た役員は「長年、問題を間違った視点で見ていたことに気付きました。午後4時以降の収益は比較的高かったため、本来ならもっと高い収益を得られていたという可能性を考慮していませんでした」とのことで、「HappyOrNot」の導入による効果をしみじみと感じています。

なお、HappyOrNotは設立当初から成功していたわけではなく、有名になったのは2012年のことです。ロンドン・ヒースロー空港ではロンドンオリンピックが近づくにつれて、空港の役員は海外からの旅行者が殺到し、職員の対応が悪くなることを警戒していました。そこで、空港のセキュリティチェックのゲートを通過した先に「HappyOrNot スマイリーターミナル」を設置しました。端末に入力された内容はリアルタイムで表示されるため、対応に問題のある職員を特定することが容易となりました。職員の配置換え等を行うことで、迅速に乗客の満足度を上げることに成功し、一躍脚光を浴びることになります。



By oddharmonic

また2013年には、NFLのサンフランシスコ49ersのビジネス側担当者がファンの満足度を測定して、改善を行うため「HappyOrNot」を導入することになりました。スタジアムの入口やトイレの出入口、そして売店に設置したところ、たった1試合でファンの反応を2万回記録したとのこと。この数字は前年にファンから任意のアンケートで回答をもらった総数とほぼ同じだったとのことで、評価方法が簡易であれば、多くの結果を収集することができるといえます。

HappyOrNotは2009年に設立しましたが、「HappyOrNot スマイリーターミナル」はすでに100カ国以上に設置されており、Amazon、Yelpなどに投稿されたオンラインの評価数を上回る6億以上の回答を登録しているようです。また、HappyOrNotは記事作成時点から過去数年間で収益を毎年倍増しているとのことです。