「アイパネ」で壁をマグネットの市場に

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 1969年に国内で初めてマグネットシートを製造したニチレイマグネット(大阪府東大阪市、前橋清社長、06・6744・0911)。磁石だけでなく、吸着の「相方」も創り出すことで市場を拡大してきた。17年2月からは吉野石膏(東京都千代田区)と協業し、磁石の効く住宅用石膏(せっこう)ボード「タイガーエフイーボード」を提案。壁面全体で、磁石を使った棚や飾りの設置ができるようになる。前橋社長は「部屋から押しピンやネジをなくしてみせる」と意気込む。

 ―磁石は冷蔵庫やスチール家具、ホワイトボードなどに貼るイメージです。

 「ニチレイマグネットは自動車の初心者マークから、文具、教材、日用品などへと市場を拡大してきた。くっ付く“相方”の開発と使い方の提案が市場成長のカギを握る」

 ―相方とは。

 「例えば、はさみで切ることができる『アイアンシート』や磁石が付く壁面材『アイパネ』を開発してきた。磁石が付く新市場をまずつくり、磁石付きの飾り棚やフック、小物入れなどを市場に投入してきた。また使い方の提案としては、デパートの装飾がある。壁面ディスプレーやウインドーディスプレーは、季節ごとに替わる。磁石を利用したフックやアクリル棚を活用してもらうことで、顧客の装飾コストを約40%抑制した。微調整もしやすいと評価を得ている」

 ―吉野石膏と協業を始めました。

 「吉野石膏のタイガーエフイーボードは近く、不燃材料認定を取得予定で、18年4月から営業が本格化する。普及が始まれば、『アイパネ』などの壁面材を後から貼り付けなくても、直接磁石を付けられるようになる。部屋の模様替えで棚や装飾、時計などの配置を変更しても、ネジ痕(あと)が残ることがない。季節や気分によって、部屋の雰囲気を変えるような生活が可能になる」

 ―今後の展開は。

 「吉野石膏の営業本格化に合わせ、マグネットシートの壁紙を発売する。タイガーエフイーボードと組み合わせれば、壁紙を貼る作業の労力や工期を大幅に圧縮でき、人手不足対策に貢献し得る。また、壁紙の日焼けによる経年劣化や、子どもの成長で壁紙の柄を替えたい、といった際に、ユーザーが貼り替えることも可能になる。磁石の市場はまだまだ広がる。世の中を変える提案と開発を続け、成長したい」
(文=東大阪・坂田弓子)