スペシャリスト人材「職種別」年収ランキング

写真拡大 (全6枚)


専門職で英語ができると、国内でも高い報酬で迎え入れてくれる (写真:Elnur / PIXTA)

早期に成果を出すため、マネジャー職や高度なスペシャリスト(専門人材)を、高い報酬で採用する傾向は強い。日本でも外資系企業を中心にそうした動きが強まっている。では、国内ではどの程度の水準で、求人されているのだろうか。

ロバート・ウォルターズは、世界28カ国に拠点を持つ専門スキルを備えたグローバル人材の転職を支援する人材紹介会社だ。日本でも現地法人のロバート・ウォルターズ・ジャパンがバイリンガル人材を中心に紹介事業を展開している。同社では、年に1回「給与調査」を発表しており、求人データに基づいた各職種の給与水準を公表している。日本の2018年の最新版も1月16日に発表されている。

職種別の年収最高額を国際比較

今回、ロバート・ウォルターズが持つ各国の給与データと、日本の「給与調査」のデータを職種別に比較し、専門スキルを持った人材の国内報酬が世界でどの程度の位置にあるのか、横断的に調べた。


比較する数字は年収ベース。求人広告や内定時に提示された基本給だ(年俸:ボーナス・諸手当を除く)。それらのデータから、各職種の最高額を記載している。

なお、海外については、現地通貨で表記されているが、今回、比較しやすくするため、円換算している。2017年11月時点のレートで、すべての紹介は割愛するが、1ドル=113円、1ユーロ=131円、1ポンド=149円、1元=17円で計算している。実勢レートとは少し異なっているため、年収額や順位が多少変動している可能性があることをお断りしておきたい。なお、中東地域は、対象地域が複数の国に及んでいるが、為替レートはアラブ首長国連邦(UAE)の通貨ディルハムを使っている。

まず財務部門から。CFO(最高財務責任者)の最大年収は英国で、7450万円(50万ポンド)だ。2位は米国、3位は中国で、日本は最高5000万円と5番目の数字になっている。

会計マネジャーのトップはフランスで、年収1965万円(15万ユーロ)。日本は1500万円で3番目の水準となっている。2000万円を超える国はないが、フィリピンを除き、1000万円は確保できている。

経営企画マネジャーの最高年収はシンガポールの2490万円(30万シンガポールドル)。日本は1600万円で6番目だが、多くの国が1800万〜1300万円のレンジに入っている。

内部監査マネジャーも日本は1600万円というのが最高年収額だ。1位は米国の2034万円(18万ドル)で、こちらも1800万〜1300万円前後のレンジに収まっているのが特徴となっている。

決済担当は、2カ国のみの比較だが、日本が1500万円でトップ。法令関係の助言を行う、コンプライアンス・アドバイザリーは、日本は2番目の2300万円で、弁護士資格を持つ人が務める場合もあり、報酬も高いようだ。トップはシンガポールの2905万円(35万シンガポールドル)である。

人材関連や製造、営業は日本が高水準

人材関連の職種になると、日本の報酬が高い。外資系企業が国内の優秀人材を集めるため、人事部門に注力しているからだろう。

人事や採用を司る人事ディレクターは、日本が3550万円で、8カ国中最高額だ。人事ビジネスパートナーは、経営方針に沿って社内の人事制度を設計する仕事だが、こちらもシンガポールの3320万円(40万シンガポールドル)に続き、日本が2100万円という数字。3位以下が1000万円台前半にとどまっていることを考えると、日本では需要の高い職種といえるだろう。採用を担当するリクルートメントマネジャーは、日本が1550万円で、こちらもシンガポールに次いで2番目の数字となっている。

情報技術や研究開発の仕事も、日本では高水準の報酬が用意されている。最高情報責任者(CIO)、最高技術責任者(CTO)は年収5000万円で、2位の香港以下と大きく差をつけている。5000万円はCFOと同じ額だ。

ITディレクターは中国がトップで年収3060万円(180万元)だが、日本も2000万円という水準。情報セキュリティ・スペシャリストも日本は2000万円で、こちらは香港に次いで2位になっている。システム構築の責任者となるプロジェクトマネジャーは、日本が1600万円で3位である。

研究開発ディレクターは3カ国しかデータがないが、日本は年収1800万円で2番目となっている。

「ものづくり日本」の強みを発揮し、製造現場のスペシャリストの報酬も、日本はトップ水準だ。工場長(年収2500万円)、品質管理マネジャー(1500万円)、エンジニアリングマネジャー(1350万円)の3部門で、日本は1位になっている。資源など材料の調達を行う購買ディレクターは、日本が7番目の1400万円。中東地域やオーストラリアが上位なのは、資源国であることが影響しているかもしれない。

営業やマーケティング部門では、営業本部長が日本は年収2800万円でトップに立っているほか、最近ニーズが高いデジタルマーケティングマネジャーも日本は1800万円と2番目の水準になっている。マーケティングマネジャーは各国の報酬額が高く、日本は2200万円でも、6番目の数字になっている。

英語と日本語のバイリンガルなら需要逼迫

なお、ここで紹介した職種の日本の給与水準を年収の多い順に並べたのが、次ページの表だ。参考までにご覧いただきたい。

案件として出てくるスペシャリスト人材は、専門的なスキルだけでなく、英語力も同時に求められている。ただ「専門性の高い仕事や新興分野の仕事の需要は高く、英語・日本語の2言語を使いこなせるバイリンガル人材はさらに需要は高くなる」(ロバート・ウォルターズ・ジャパン)という。日本にいても、諸外国と同水準またはそれ以上の給与を得ることができるのが、今回のデータを見てもわかるだろう。