写真は、イギリス軍のAH-64D。(c) 123rf

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■自動車の安全は「猿は木から落ちない」として確保される

 「猿も木から落ちる」とは「どのような名人でも間違いはある」ことを示しているが、「安全」は「猿は木から落ちない」としなければ保てない。すなわち、「品質保証」とは「猿は木から落ちない」とすることだ。自動車の安全は「至難のこと」と理解する必要がある。これを実現する覚悟がなければ、「自動車会社の経営者になるな!」と言えるのだ。

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■攻撃ヘリとは「核戦争抑止の最後の砦」

 今回事故を起こしたAH-64D(通称アパッチ)は攻撃ヘリで、その名の通り、ヘリコプターに武装して攻撃ができるようにしたものだ。始まりは「ベトナム戦争当時」で、輸送用ヘリUH-1通称「ヒューイ・イロコイス」と呼ばれたヘリに、機関銃を装備したのが最初だった。ベトナム戦争が激しくなってきて、そのころマッハ2の速度を誇っていたアメリカ軍戦闘爆撃機F105Dなどが、民兵の打つ機関銃弾で撃墜されるなどして、生産した800機全機を消耗してしまった事実などが起きていた。

 核爆弾を胴体の回転式爆弾倉に装備して、核攻撃の先頭に立つ想定であった機体では、ゲリラ戦に対応できないことが当時判明していた。そこで太平洋戦争当時のレシプロ攻撃機を使ったりしてきたが、間に合わず、固定翼のプロペラ付き攻撃機を造ってみても、ヘリのホバーリングできる性能は必要で、輸送用ヘリに寄り添うこともできる武装ヘリの必要性が認識されていった。

 UH-1を武装してみたのだが撃墜されることも多く、専用武装ヘリとして防御を強化し、武装や夜間戦闘能力の強化などもして、現在では「ゼロ戦」も上回る空戦能力さえ獲得している。レーダー、赤外線探知機、対戦車ミサイル、ガットリングガン、チェーンガン、ロケット弾など強力な攻撃能力を備えている。縦に並んだ操縦席などにより地上放火から狙いにくく、戦車などに使う防弾鋼板・防弾ガラスで防御するなど、近接戦闘を想定した作りとしている。

 そして冷戦が頂点になったころ、ヨーロッパで大量の旧ソビエトの戦車軍の攻撃に備えるため、対戦車ミサイルのプラットフォームとして、戦争を核戦争前に終結させる役割を担っていた。これでも旧ソ連戦車軍を阻止できないと、いよいよNATO軍の「戦術核(現在トランプ大統領が再び言い出した「小さな核」)」の使用が目前に迫ることになった。そして「戦術核」をNATO軍が使用すれば、ワルシャワ条約機構軍側、すなわち旧ソ連軍も戦略核を使用することとなり、結局、全面核戦争に至る危惧が叫ばれていた。「全面核戦争抑止の最後の砦」として期待されたのが攻撃ヘリだった。

 地上戦で主役と考えられるのが「戦車とそれを迎撃する攻撃ヘリ」となっているのは今でも健在だ。日本においても、「南の諸島」を防衛する、また周辺諸国の侵略に備え、核戦争に至るのを抑止する主力が「攻撃ヘリ」となるのかもしれない。