今回のビジネス女子マナーは、PR会社勤務の横川じゅんさん(仮名・26歳)からの相談です。

「うちの会社では、社内での義理チョコ配りが禁止になっています。クライアント先にも、女性だけがチョコレートを配るというのはどうなんだという意見や、自腹購入は不公平だから経費に計上すべきという意見などがでて、結局配らないことになりました。

でも私には、社内にチョコレートを渡したい人がいます。当日って、バレンタインデーに手ぶらでクライアント先をまわるのも気が引けるせいか、けっこう社内で事務作業をする人が多いし、渡すタイミングとしてはチャンスが多いと思っています。ただ、社内で禁止されていることだし……と思って、どうしようかと悩んでいます。本命だったら、チョコレートをあげても問題にならないのでしょうか。教えてください」

バレンタインデーは、1年の中で、最も好きな相手に告白しやすい日。義理チョコOKの場合は、配りまくるなかで、こっそりと「あなただけは特別です♥」なんて、あざとかわいいこともできるわけですが……。禁を破ってまでとなると、相手にとって重すぎる!?と、片思いならなおさら不安に思ってしまいますよね。こういう場合、どうしたらいいのでしょうか。そもそも、義理チョコ禁止と明文化されている中で、チョコを会社に持っていくと、問題になったりするのでしょうか。鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

☆☆☆

虚礼廃止の一環で義理チョコ禁止の会社が急増

社員間のお歳暮やお中元などの贈答を「虚礼」として、廃止している会社は少なくありません。互いの感謝の気持ちは大切ですが、それが形だけになってしまっているのであれば、単に負担になるだけですね。業務の効率化には無縁と考えるのも頷ける話です。また、金銭的にも、社員の負担になりますね。

そして、その一環として、義理チョコも禁止という会社も増えています。相談者さんのお手紙の中にもあるように、義理チョコは女性が男性に配るものといった認識が強くありますから、「なぜ女性だけが」という考えは、現代の世相にのっとっているともいえます。では、「男性も義理チョコを配ればいい」かというと、それもまた違うような……となる。学生時代は、ドキドキ楽しいイベントだったバレンタインも、社会人ともなると、ちょっと複雑になってきますね。

本命チョコはあげてOKだが「こっそりと」

でも、禁止されているのは、「虚礼」としての義理チョコです。本命チョコを好きな人にあげるかどうかというのは、個人の自由。なので、迷ったらあげちゃってはいかがでしょうか?
ただ、上司や同僚に見られると、「何やってるの?」とお咎めされるかもしれません。会社は本来、仕事をする場所であって、恋愛する場所ではないからです。なので、こっそりと、がよいでしょう。

それよりも、気にすべきは相手である彼のことです。もし彼の上司や同僚に知られたら……。どうなるでしょうか。

あなたに一方的に好かれただけなのに、好奇な目で見られたり、社内恋愛だと噂されたりしては困りますね。
あなたとしても、大好きな彼が不利な状況に陥るのは、本意ではないでしょう。堅実女子としてありえませんので、慎重に考えて行動したいですね。

渡したあとのことも考えて行動を

相談者さんのお相手はどういう人でしょうか。もともと、仲のいい同僚?それとも、ほとんど話したことのない相手でしょうか。プライベートのことを、どれくらい知っていますか?

結婚はしていなくても、彼に彼女がいるかもしれません。成功の確率は半々と心得たいものです。また、社内の人や社外でも一緒に仕事をしていく人に告白し、振られるとお互いに気まずいし、仕事に支障が出ることもあります。たとえ、他部署だとしても、きっと廊下で顔を合わせることもあるでしょう。それをどう回避するか、できるのか、ぜひ熟考してください。

チョコレートは5000円以上だと高級感が出すぎで、力が入りすぎです。相手に、「ホワイトデーにお返しをしなくちゃ」というと負担をかけないことも、思いやりだと思います。高くても3000円くらいにとどめましょう。

また、チョコレートに添えるメッセージについても、「本命」であることを強調しすぎないことです。贈る理由として、「日頃のお礼に」とか「またお話できると嬉しいです」くらいのトーンで気持ちを伝えるのが、ビジネスとしてのマナーでしょう。
「大好きです♥今度飲みに行きましょー。2月の空き日程を教えてください」では、文面としてはライトですが、積極的すぎて引かれるかもしれません。イケイケの気持ちはおさえてくださいね。

成功を願っています。

バレンタインを味方につけて、社内や仕事関係の片思いの彼に思いを伝える……。ドキドキする!



■賢人のまとめ
義理チョコ禁止は本命チョコ禁止ではありませんよね。でも、チョコレートを持ってうろうろしていると、上司や同僚から咎められる場合もありそうです。また、相手の方は一方的に好かれただけなのに好奇な目で見られたり、社内恋愛だと噂されたりする場合があります。「好き」という気持ちだけで突っ走らずに、きちんと相手のことを思いやり、リスクも考慮して行動してください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/