イブラヒモビッチ(左)とC・ロナウド(右)。この2大エースは決定機をことごとく外し、チームの足枷になってしまった。 (C) Getty Images

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 いよいよ、来月、チャンピオンズ・リーグ(CL)の熾烈な戦いが再開。現地2月13日に決勝トーナメントがスタートする。
 
 ファンにとってはたまらない魅力的なカードが組まれたなかで、CL2連覇中の絶対王者レアル・マドリーは、トーナメント1回戦でフランスの超名門パリ・サンジェルマンと対戦する。欧州戦線において過去の対戦回数は多くない両チーム。通算成績は2勝2分け2敗と全くの五分である。
 
 ここでは、そのなかでも直近の2015-16シーズンに行なわれたCLグループステージでの2戦を振り返っていきたい。
 
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 このシーズンの両者の対戦は、かなりの注目を集めていた。
 
 というのも、20世紀最高のクラブと称されたマドリーに、2011年にカタール資本に転換してからチアゴ・シウバ、ズラタン・イブラヒモビッチといった大物を次々と獲得し、チーム強化を推し進めていたパリSGが挑戦するという構図が出来上がっていたからだ。
 
 ナセル・アル・ケライフィ会長の「CL制覇」という悲願を成就すべく、このシーズンのパリSGは開幕前、マンチェスター・ユナイテッドからアンヘル・ディ・マリアを獲得してさらにパワーアップし、その気運を高めていた。
 
 開幕から公式戦27戦無敗を維持するなど絶好調だったフランスのパリSG。一方、マドリーのチーム状況は最悪であった。
 
 フロレンティーノ・ペレス会長との確執問題が浮き彫りになったカルロ・アンチェロッティ監督が解任の憂き目に遭ったうえ、さらにチームの精神的支柱であったイケル・カシージャスも会長の独断専行の煽りを受けて退団。さらにチームキャプテンのセルヒオ・ラモスも移籍を仄めかすなど、ピッチ外で混乱が立て続けに起きていたのだ。
 
 また、アンチェロッティの後任として、ナポリから招聘したラファエル・ベニテスの采配も冴えず……。ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの『BBC』は健在だったものの、守備面で不安定さを露呈していた。
 
 そうした対照的な状況下で迎えた10月21日、パルク・デ・プランスで両軍は激突。好調を維持したパリSG優位という下馬評に反して、試合は緊張感のあるものとなった。

 そして、C・ロナウドとイブラヒモビッチという両チームのエースが決定力を欠いた結果、最後まで均衡が破れることはなく、スコアレスで初戦は終了したのだ。
 
 舞台をマドリーの本拠地サンチャゴ・ベルナベウに移しての第2レグは、ホームチームにかかるプレッシャーが、第1レグのときよりも倍増していた。ベニテス監督の守備的な戦術に批判が集中していたからだ。
 
 この閉塞感を打ち破るのは誰なのか? 試合の焦点はそこに集まっていた。
 
 グループ最大のライバルを下しての首位通過を狙う両チームは、17分にパリSGがマルコ・ヴェッラッティ、33分にはマドリーがマルセロを、それぞれ負傷によってベンチに下げざるを得なくなるなど、立ち上がりから激しく衝突した。
 
 重苦しい空気がスタジアムに漂うなか、均衡を破ったのは、ホームチームの伏兵ナチョだった。マルセロに代わってピッチに送り出された26歳(当時)の生え抜きスペイン人DFは、投入からわずか2分後に訪れた見せ場で、大きな仕事を果たしてみせる。
 
 ゴール前で持ち込んだドイツ代表MFのトニ・クロースがミドルシュートを放つと、これを相手CBチアゴ・シウバが右足でブロック。ポーンと跳ね上がったルーズボールがペナルティーエリア内左に流れるところを、走り込んできたナチョがダイレクトで蹴り込み、右のポストに当てながらゴールネットを揺らしたのだ。