中国での2017年の自動車販売台数と主な販売車種

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 日産自動車は5日、中国で2022年までに600億元(約1兆円)を投資する計画を発表した。

 年間販売台数を17年実績の1・7倍の260万台に引き上げる。米国市場が調整局面に入る中、中国を“主戦場”と位置づけ、世界販売を牽引(けんいん)する姿勢を明確にした。

 日産は現地の自動車メーカー、東風汽車と合弁で中国事業を展開している。合弁会社の関潤総裁は5日、「中国は世界で最もダイナミックで急成長している市場だ。ここでしっかり成果を出したい」と強調した。

 中国政府の環境規制強化方針に対応し、電気自動車(EV)などの電動車を22年までに20車種以上投入する。同年の販売台数全体の30%を電動車が占める計画という。高級車ブランド「インフィニティ」については25年までに全車種を電動化する計画だ。

 日産の17年の中国市場での販売台数は前年比約12%増の151万9千台と過去最高で、日系メーカーでは最多。トヨタ自動車は約6%増にとどまり、日産・仏ルノー・三菱自動車連合の世界販売台数がトヨタを抜いて2位となった背景には、中国での勢いの差があるといえそうだ。

 日本の自動車各社が最も力を入れてきた米国は新車販売が頭打ちで、中国市場の存在感が相対的に高まっている。17年の販売台数では、マツダが7年ぶり、三菱自は初めて中国での販売が米国を上回り、最大市場となった。日産の米国での17年販売実績は159万3千台と中国より多いが、中国での野心的な計画をみると、22年までに逆転する可能性が高い。

 ただ、中国は合弁事業だけに、収益の全てを日産が受け取れるわけではない。日中関係の悪化など政治的なリスクもあり、中国を最重視する世界戦略には危うさも伴う。(高橋寛次)